米国、石破元防衛相の「アジアNATO」提案を拒否

日本の元防衛大臣は、アジアにおける非公式同盟の網を正式な軍事ブロックに「統合」することをワシントンに望んでいる。

RT
18 Sep, 2024 18:00

日本の石破茂元防衛相がワシントンに対し、この問題をより深く議論するよう求めたことを受け、米国務省高官は、アジアにおけるNATOスタイルのブロック構築について話すのは「時期尚早」だと述べた。

岸田文雄首相の後任の有力候補である石破氏は先週、アジア地域におけるさまざまな安全保障協定を正式な防衛協定に「統合」することで、「アジア版NATO」を創設するよう呼びかけた。「少なくとも、このテーマについて議論を深めるべきだ」と述べた。

ダニエル・クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は火曜日、ワシントンDCで開かれた会議で、石破氏の提案を一蹴した。

日本の日経新聞によれば、クリテンブリンク氏は「その文脈で集団安全保障について話すのは時期尚早だ。私たちが重視しているのは、この地域の既存の公式な仕組みに投資し、公式・非公式な関係のネットワークを構築し続けることです。そして、その行方を見守ることになる」と述べた。

アジアのNATOは「この地域で我々が求めているものではない」と、ある匿名の米政府関係者は日経新聞に語った。

この高官は、アメリカはアジア太平洋地域に「ブロック型の同盟」を作ることを避けたいと述べているが、ワシントンは数十年かけてこの地域でパートナーシップや多国間協定の網を構築してきた。

オーストラリア、英国、米国によるAUKUS協定と、オーストラリア、インド、日本、米国による四極安全保障対話は、いずれも中国によって、この地域での「対立を誘発する」試みだと非難されている。NATOが日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの協力を強めていることも北京から非難されており、中国外務省の林建報道官は7月、NATOの指導者たちに対し、「緊張を作り出し、冷戦の考え方を売りつけ、アジア太平洋におけるブロックの対立を誘発するのはやめるべきだ」と 呼びかけた 。

ロシア、中国、北朝鮮はいずれも、アメリカが韓国や日本と結んでいる防衛条約を批判している。ロシア外務省アジア第一局のゲオルギー・ジノビエフ局長は先週、日米韓の合同訓練は規模と頻度を増しており、「反ロシア、反中国の色彩」を帯びていると 警告した。

石破氏の提案は日本国内でも批判されている。「NATOの要諦は、共通の外敵による武力攻撃から加盟国を集団で守ることだ」と、岸田外相の後任候補にも挙がっている茂木敏充氏は、ヨーロッパとは異なり、アジアは多様な文化や政治体制を持つ国々で構成されている。それぞれの国が中国との関係も異なる」と、日本経済新聞に語った。

日本は「NATOやパートナーとの協力を強化しなければならない」とも宣言している岸田氏は先月、支持率が低迷する中、首相と自民党党首を辞任すると発表した。自民党は9月27日に岸田氏の後任を選ぶ党内投票を行う。

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