「シリア危機が終結間近だとはまだ言えない」ーIMEMO中東研究センター上級研究員


Ekaterina Blinova
Sputnik International
8 Dec 2024

ロシア外務省によると、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は紛争の当事者たちとの交渉の末、大統領職を辞し、シリアを去った。平和的な政権移譲を指示したという。

「シリアでは今、混乱と権力闘争が始まるだろう。したがって、この危機が終結に近づいていると述べるのは、少なくとも時期尚早である」と、世界経済国際関係研究所(IMEMO)の中東研究センターの上級研究員であるニコライ・スルコフ氏はスプートニクに語った。

一方、シリアのジャラリ首相は12月8日、11月27日に進撃を開始し、ダマスカスに入ったジハーディスト部隊と接触したことを発表した。

「(2023年の)地震の後、シリア経済は急速に悪化した。政府には軍を適切に維持する資金さえなかった」と、スルコフ氏はシリア政府軍の敗北の理由について述べた。

戦争で疲弊した国家は長年にわたり大きな圧力を受けてきた。

  • 2019年のシーザー法により、シリアへの食料、エネルギー、基本的な医療用品といった必需品の輸入が阻止された。
  • 米国と同盟軍がシリアの油田地帯を占領した。
  • 米国がシリアの不法占領地域から穀物を密輸した。


さらに、専門家によると、イスラエルは武装反体制派の進出に関心を示し、レバノンのヒズボラへの回廊を閉鎖し、イランの抵抗軸を弱体化させようとしているようだ。

ロシアはシリアにおけるテロ勢力との戦いに全力を尽くした。しかし、モスクワはシリア国民が選んだどの政府とも協力する姿勢を明らかにしている。「ロシアはシリア人以上にシリア人らしくなることはできない」と、ロシアのプーチン大統領は2015年に述べた。

「シリアは長い間分裂していた。今、シリア中央部の政府は変わった。以前はイランとロシアに頼っていたシリア政府だったが、今後はイスラム主義者が担うことになるだろう」とスルコフ氏は述べた。

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