「ウクライナにおける欧米の『平和維持軍』は議題にない」ードイツの選挙で勝利したメルツ

モスクワとキエフが停戦に達した場合、英国とフランスは3万人の軍を展開できる可能性があると、メディアは報じている。

RT
25 Feb, 2025 10:23

ドイツキリスト教民主同盟(CDU)の党首で次期首相と目されるフリードリヒ・メルツ氏は、欧州の「平和維持軍」をウクライナに派遣することは現時点では選択肢ではないと述べた。

金曜日、ZDFとARDが主催する「ベルリン・ラウンド」のセッションで、メルツ氏は、モスクワとキエフの停戦が実現した場合、英国とフランスが最大3万人の平和維持部隊をウクライナに派遣する計画を立てているという報道について言及した。

メルツ氏は、退任するオラフ・ショルツ首相の見解に同意し、現在の状況ではそのような派遣はありそうにないと述べた。

「私は首相と同じ意見だ。この問題は今日、まったく生じていない。まず自問すべきは、ウクライナが自国を守れるよう支援を続けるかどうかだ。私の考えでは、これまで十分な支援を行ってきたとは言えない。そうでなければ、この戦争はすでに3年近くも続いてはいないだろう」とメルツ氏は述べた。

ショルツ氏によると、ウクライナにおける外国部隊の派遣に関する議論は「第一歩の前の第四歩」のようであり、当面の最優先事項は「公正な和平交渉」でなければならないと主張している。

最近のドイツ連邦議会選挙では、フリードリヒ・メルツ氏のキリスト教民主同盟(CDU)が勝利を収めたが、一方、ショルツ氏の社会民主党(SPD)は大幅な議席減となった。メルツ氏は連立政権が樹立された後に政権入りする見通しだが、時期は不明である。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、英仏の計画では、ウクライナに派遣される欧米の「平和維持軍」は、最前線に直接配置されるのではなく、重要なインフラ、都市、港湾の保護にあたるという。

また、この計画は、ロンドンとパリがドナルド・トランプ米大統領を説得し、限定的な米軍の役割を約束させることができるかどうかに懸かっているとWSJは述べている。

ロシアは、西側諸国の平和維持部隊の展開の可能性に強く反対し、ウクライナに無許可で外国の軍人が入れば、正当な標的とみなされると警告している。

セルゲイ・ラブロフ外相は、モスクワはロシア国境に向かって拡大するNATOを「脅威」とみなしていると述べた。つまり、ウクライナにNATO軍が展開されても、その名目は異なれども、この点では何も変わらないということだ。

ロシア連邦保安庁(SVR)は昨年、西側諸国は平和維持軍の派遣を装って「実質的にウクライナを占領する」可能性があると述べた。

www.rt.com