ポール・クレイグ・ロバーツ「西側世界の最後の愚行」


Paul Craig Roberts
2023年5月9日

軍産複合体のトランプ大統領に対する勝利は、米国とその欧州、カナダ、オーストラリア、日本の帝国を不可逆的な衰退へと追いやった。 トランプ大統領の「ロシアとの関係正常化」の意図は、アイゼンハワー大統領もジョン・F・ケネディ大統領も警告した強力な軍産複合体によって、その予算、権力、優先権に対する脅威として受け止められた。 こうして、CIAとFBIによって、アメリカの大統領に対する冤罪事件が、在任中も退任後も、長く続いている時代が始まった。

その結果、世界は私たちの影響力から離れ、ドル支配の金融システムから脱却し、ワシントンの勝手なルールではなく、法の支配に従うようになりつつある。

西側世界にとっての結果は、通貨の下落、インフレと生活水準の低下、エネルギー不足、そして西側世界が撃退する自己信念を持たない大量の移民侵略者による社会崩壊であろう。

兵器システムがロシアより劣り、軍隊が「多様性の促進」と反白人の教化によって士気を失っている西側諸国にとって、破滅的な戦争もまた、悲惨な結果をもたらすかもしれない。

ロシアのプーチン大統領は、アメリカの覇権を狙う新保守主義者の野望を「狂気の沙汰」と表現している。 プーチンは西側諸国を見定めたのだ:

「優越のイデオロギーは、その性質上、嫌悪、犯罪、致命的である。グローバリストのエリートたちは、自分たちの例外性を主張し続け、人々を互いに対立させ、社会を分裂させ、流血の紛争やクーデターを引き起こし、憎悪、ロシア恐怖症、攻撃的ナショナリズムをまき散らし、人間を人間たらしめる伝統的家族観を破壊している」。

プーチンは、ワシントンの「ルールに基づく秩序」を「国際舞台での強盗、暴力、抑圧のシステム」と表現している。

アメリカ人、ロシア人、中国人、そして世界の他の国々の利益に反して、アメリカの軍事・安全保障複合体とその新保守主義者の子分たちは、西洋を世界の他の国々の敵として制度化した。 アメリカとその帝国にとって、その結果は悲惨なものとなるだろう。

www.paulcraigroberts.org