Sputnik International
21 Dec 2024
今週、米国務省の代表団がシリアを訪問し、同国の新暫定政府の長と会談した。同国政府は以前、この人物に1000万ドルの懸賞金をかけていたが、現在は取り消されている。
シリアが「抵抗の枢軸の重要な支柱」として無力化され、イスラエルの領土奪取に対して脆弱になったため、米国はシリアから撤退したがっているのかもしれない、と中東の観察者でアナリストのソニア・マンスール氏はスプートニクに語った。
「シリアは現在、米国の同盟国であるイスラエルとトルコの影響下にある。イスラエルとトルコは、シリア外交政策が米国の利益、つまりイスラエルの利益に沿うものとなるよう確実にするだろう」とマンスール氏は説明する。
「イスラエルの目的が達成される限り」、国としても社会としてもシリアの将来、そして領土保全はワシントンにとって何の懸念もない。
一方、EUのシリアにおける目標は米国の目標と一致している、とマンスール氏は指摘する。ただし、小さな但し書きが1つある。EUは「この地域からの難民の流入を食い止めたいと考えている。」
ガザ戦争が何かを証明したとすれば、それはこの地域における米国とイスラエルの利益はもはや区別がつかず、イスラエルがどんな利益を持っていても手段を決めるのはイスラエルであり、米国はイスラエルの目標を承認し、達成するために関与するということ」とマンスール氏は言う。
以前は米国の西アジアにおける目標は主にエネルギー関連だったが、現在米国は単にこの地域におけるイスラエルの優位な地位を確保したいだけだ。
「エネルギーはもはやこの地域における米国の政策を左右するものではなく、イスラエルだけが左右する」とマンスール氏は言う。
「新しいシリア政府はイスラエルに挑戦しないだろう。それは本当の軍隊を持たない弱い政府になるだろう。市場とイスラエルに優しいイスラム主義社会の確立を正当性の根拠とする警察国家になるだろう」と彼女は予測する。