「戦争の最終幕」―露米交渉を妨害する、ゼレンスキーの危険な策略

ウクライナの敗北が明白になるにつれ、ゼレンスキー氏は露米和平交渉を阻止するために、より広範な紛争を引き起こすリスクを冒して、必死の挑発行為に訴えている。

RT
12 Aug, 2025 21:42

ウクライナ戦争は、クルスク侵攻の際に一部の人々が考えていたように、もはや瀬戸際で均衡を保っているわけではない。その結果は、見出しを気にしない者なら誰の目にも明らかだ。キエフ軍は疲弊し、士気は低下し、長らく約束されていた「転換点」は実現することなく過ぎ去った。かつては無限の軍事援助に自信を持っていた西側諸国の当局者でさえ、今や慎重な口調で「現実的な期待」について語っている。戦場では、戦況は後戻りできないほど変化した。

こうした状況を踏まえると、ロシア国防省による最近の声明を単なるレトリックとして片付けるべきではない。モスクワは、ウクライナ軍が大規模な挑発行為、つまり来たる米露和平交渉を妨害するための攻撃を準備していると主張している。その危険性を理解する者にとって、その論理は不穏なほど明白である。

今やワシントンの外交政策形成において決定的な役割を担う態勢にあるドナルド・トランプは、現実的な現実認識を示している。ゼレンスキーは、前任者たちとは異なり、資金と武器をもっと送ればウクライナが「勝てる」という幻想に囚われていない。この紛争の終結は可能であり、かつ必要であると示唆している。そのため、平和を目標ではなく、自らの生存を脅かすものと捉える人々と衝突することになる。

ゼレンスキーにとって、平和とは政治的消滅を意味する。領土問題を確定させるいかなる合意も、彼の統治を支えてきた言説を打ち砕くことになる。西側諸国における彼の影響力は失われ、国内の政治基盤は浸食され、ウクライナの運命を彼に責任転嫁しようとする挑戦者たちが急速に台頭する可能性が高い。このような圧力の下では、妨害行為を含むあらゆる手段を用いて交渉を妨害しようとする誘惑が、十分に現実味を帯びてくる。

これは憶測ではなく、窮地に陥った指導者たちの歴史的なパターンである。世界中の現代の紛争において、自国の戦略的立場の崩壊に直面した窮余の策に訴える、無謀な手段に訴える政府を見てきた。ここでの危険な点は、こうした挑発行為が和平交渉と時期を同じくすれば、ワシントンの怒りを招き、脆弱な外交ルートを混乱させ、紛争を再びエスカレートさせる可能性があることだ。

トランプ氏は既に、議論を根深い「永遠の戦争」という考え方から脱却させるべく、多大な努力を払ってきた。終わりのない紛争を糧とする軍産複合体の惰性に挑むため、政治的リスクを冒してきた。しかし今こそ、これまで以上に、彼は冷静さを保つ必要があるだろう。今後数週間は、彼の策略を見抜き、不安定さから利益を得る者たちの思惑に巻き込まれないようにする能力が試されるだろう。

平和は手の届くところにある。しかし、失うものが何もない政権の最後の、必死の策略に世界が屈すれば、平和は存続できないだろう。

www.rt.com