ラブロフ外相が「既存のグローバル・ガバナンスの改革」を促す理由


Egor Shapovalov
Sputnik International
2023年9月24日

セルゲイ・ラブロフ露外相の第78回国連総会での演説は、米国と欧州のNATO同盟国が直面する課題について議論を巻き起こした。スプートニクは、地政学・経済外交アナリストであり、イマジニア・インスティテュートの創設者であるロビンダー・サクデフ氏に、これらのトピックに光を当ててもらった。

ラヴロフ大臣が演説の中で指摘した印象的な点は、西側の政治体制における二重基準の問題であった。マクロン仏大統領がBRICSの拡大に懸念を示す一方で、NATOのアジア太平洋地域への干渉を無視しているように見えることについて、サクデフ氏は次のようにコメントした。

しかし、このような行動が可能なのは、もっと深刻な問題があるからであり、その根源は国連の足元にある。

国連の無力さ

サクデフ氏は、国連が社会問題に対処するための重要なプラットフォームであることを認めつつも、国連は世界の安全保障を適切に扱うことができないと断言する。この率直な評価は、世界政治が直面する喫緊の課題、すなわち既存の主要国際機関の非効率性を浮き彫りにしている。

平和と協力を促進するために作られた国連は、非効率、官僚主義的障害、複雑な地政学的問題を解決できないことに悩まされてきた。

「私の全体像は、国連は確かに美しいプラットフォームだが、国連は効果的なプラットフォームではないということだ」と専門家は強調した。

改革の必要性

サクデフ氏は国連改革の必要性を強調する。世界の安全保障に取り組む国連の役割には疑問が残るが、他の分野では改革への希望があると指摘する。
サチデフ氏は、援助提供や現地での具体的な成果達成における非効率をなくすため、国連の社会部門における数多くの官僚組織を改革すべきだと主張する。

新世界マトリックス

結論として、サクデフ氏は世界政治の変化について、暗澹たる、しかし現実的な展望を示す。

「世界の現実は、世界が多極化しつつあるということです。今日の世界はマトリックスになりつつある。そしてこのマトリックス、再構築中の新しい世界マトリックスには、複数の連関、方程式、圧力が存在することになる」とサクデフ氏は言う。

サクデフ氏は、この現実を認識し、世界協力のための代替的なアプローチに焦点を当てるべき時なのかもしれないと示唆している。

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