Paul Craig Roberts
November 16, 2023
ハマスの攻撃から1カ月以上経った2日前、『ワシントン・ポスト』紙に掲載されたフェイクニュースは、ガザンをシナイ砂漠に追い出すことを支持する物語の新たな構成要素となっている。ワシントン・ポスト紙によると、正体不明の「情報当局者」が同紙に語ったところによると、ハマスの10月7日の攻撃はイスラエルにもっと深く侵入するつもりで、ハマスの兵士たちは「できるだけ多くの人を殺し、できるだけ多くの人質をとる」ように命じられたという。その「情報当局者」によれば、ハマスの意図は、「イスラエルの主要都市と軍事基地」への攻撃を含む「歴史的規模の打撃」
であったという。
覚えておいてほしいのは、イスラエルは不意を突かれ、攻撃の予告もなかったというシナリオだ。しかし、『ワシントン・ポスト』紙によれば、情報当局によれば、ハマス側は1年以上前から攻撃の準備をしていたという。もし諜報機関がこのことを知っていたのなら、なぜイスラエルに伝えなかったのだろうか?
世界中がイスラエルに反発しており、CNNやBBCでさえイスラエルによるパレスチナ人に対する残虐行為を報じている今、このフェイクニュースの目的は、ハマスがイスラエルにとって実際よりもはるかに大きな脅威であるかのように見せることであることは明らかだ。言い換えれば、イスラエルがパレスチナ人をガザとヨルダン川西岸から追い出すことが正当化されるほど、ハマスが大きな脅威なのだ。
なぜRTはフェイクニュースを取り上げ、広めることで、アメリカ/イスラエルのプロパガンダの成功に貢献したのか?https://www.rt.com/news/587173-hamas-broader-attack-israel/
プロパガンダは意図しない結果をもたらすことがある。10月7日のハマスの攻撃から12日後、エルサレム・ポスト紙は、ハマスの兵士たちが無関心で凶悪な行為を行えるようにするために麻薬を服用したという記事を掲載した。この記事は、ハマスの非人道性を劇的に表現することを意図しているが、意図しない結果として、イスラエル兵はパレスチナ人への凶悪な攻撃を実行するために麻薬を服用する必要がないため、それに比べてハマスが善良に見えてしまう。