欧州連合はもはや自らの防衛を米国に頼ることはできないと、同ブロックのトップ外交官が警告した。
RT
26 Nov, 2024 01:31
EUの外交政策責任者が月曜日に述べたところによると、EUの域外で複数の危機が起こり、米国からの防衛保証に疑問が生じている現在、EUの将来は危機に瀕している。
ジョセップ・ボレル氏は、自身のスピーチやエッセイを集めた『ヨーロッパ、炎の弓形に』の出版を記念して、世界情勢について憂慮すべき見解を示した。同氏は、ウクライナ、ガザ地区、アフリカにおける紛争を、世界的な安全保障を脅かす主な要因として挙げた。
「ここ数か月の間に直面した出来事は、残念ながら、以前から指摘されていた診断を裏付けるものとなった。すなわち、ヨーロッパは危険にさらされているのだ」と、ボレル氏は自身の事務所のウェブサイトに記した。
「我々の地政学的環境は悪化しており、ウクライナから中東、南コーカサス、アフリカの角、サヘル地域に至るまで、紛争や危機が我々の目の前で増え続けている。これらすべてが、米国の欧州安全保障への今後の関与がますます不透明になっているという背景がある」と彼は付け加えた。
外交官は、ドナルド・トランプ氏の再選を踏まえ、ワシントンのコミットメント「欧州全体の安全保障に対する将来の不確実性が高まっている」と主張した。
「我々の幸福と将来は、4年ごとに米国中西部の有権者の気分に左右され続けるわけにはいかない」とボレル氏は記し、欧州連合(EU)加盟国に自国の防衛強化を促した。
さらに、ウクライナ紛争が「西側諸国に対する抵抗連合を強化する可能性がある」という「深刻なリスク」があると述べた。そして、先月ロシアのカザンで開催されたBRICSサミットに言及し、2023年末にマリから国連平和維持部隊が撤退した場合、サヘル地域でも同様の連合が「現実化する可能性がある」と強調した。
BRICS(当初はBRIC)は2006年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立された。このグループのメンバーは、キエフとの紛争をめぐりモスクワへの制裁を拒否し、危機の外交的解決を主張し続けている。
ロシアと中国は近年、経済関係を深め、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」と表現している。また、核超大国である両国は、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)の「単独主義」に反対し、より公平な国際関係のモデル形成に参加したいと表明している。