ジョン・ミアシャイマー「ロシアとの争いを望むNATO」


JOHN MEARSHEIMER: NATO Picking a Fight w/Russia
Daniel Davis / Deep Dive
Oct 12, 2025

ジョン・ミアシャイマーは、ロシアに対する西側のいくつかの非難——例えば航法システムの妨害、エストニア領空の侵犯、欧州空港上空でのドローン飛行など——を虚偽か誇張だと一蹴する。彼らは、ロシアが意図的にNATOを挑発しているのではなく、むしろロシアが戦場で優勢であるため、NATO側が緊張をエスカレートさせようと躍起になっていると主張する。西側諸国、特に欧州の指導者たちは、ロシアに対する世論と米国の支持を集めようと必死だが、軍事的な選択肢と資源は減少していると描写されている。

議論は次に、2029年までに大規模な軍事増強を目指す欧州の「再軍備」計画に移る。講演者は、欧州経済の脆弱性、重い福祉支出、政治的意志の欠如——特にスロバキア、ハンガリー、そして今やチェコ共和国がロシアとの関係正常化に向かっている状況——から、この計画の実現可能性に疑問を呈する。特にフランスとドイツは、政治的・経済的に制約を受けており、ウクライナ支援の継続やロシアとの戦争準備に必要な能力や意欲が限られていると見られている。

ミアシャイマーは、ロシアが欧州侵攻の意図や能力を示しておらず、差し迫ったロシア攻撃の主張は「荒唐無稽」だと主張する。むしろ、2029年までに欧州が戦争準備を進めるという構想は、真の安全保障上の必要性よりも、国内政治と絶望感に駆られたものだと描かれている。

最後に、ミアシャイマーは欧州がロシア攻撃を準備しているという見解を非現実的と一蹴し、経済的現実とロシアの東部ウクライナにおける限定的な野心を考慮すれば、ドイツなどが意図的に大規模戦争を開始することはあり得ないと述べた。

要点:
西側諸国やNATOによるロシアの侵略に関する主張は誇張されている。欧州の軍事増強論は非現実的だ。欧州の経済的弱体化と戦争への政治的倦怠感が高まる中、挑発的な兆候を見せているのはロシアではなくNATOである。

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