「市場は、クリスマス反騰後の失望感」-2024年序盤、相反する経済指標が重しとなる


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7 Jan, 2024 05:23

1月第1週は金融市場にとってジェットコースターのような1週間となった。堅調なクリスマス反騰の後、市場は一連の複雑なシグナルに直面し、新年への期待の再評価を促した。週が明けると、焦点は今後の決算シーズンに移り、特に銀行セクターでは、インフレの恐怖が迫っているにもかかわらず、期待が高まった。

S&P500種指数は数週間の上昇の後、2024年最初の下落週となった。この週のボラティリティは顕著であったが、市場は10分の2%の小幅上昇で引け、ある程度の回復力を示した。投資家は、予想を上回る雇用統計や予想を下回るISMサービス業景況感報告など、さまざまな経済データが飛び交う中を通過した。

ナスダックは今年最初の取引週で2%下落し、市場心理は弱気に振れた pic.twitter.com/hKuqgEpPbq
- Stocktwits (@Stocktwits) 2024年1月5日

今週の経済指標は、米国経済の微妙な様相を描き出していた。好調な雇用統計はサプライズとなったが、景気減速懸念は根強い。ISMサービス報告は、15以上の製造業の経済活動を含み、雇用、価格、在庫水準を測定するものだが、潜在的な季節調整の問題からその信頼性に疑問符がつき、不透明感を増した。米連邦準備制度理事会(FRB)の慎重な姿勢は、潜在的な賃金上昇圧力を認めながらも、労働市場の緩和を注視するという微妙なバランスを反映している。

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- ゼロヘッジ (@zerohedge) 2024年1月5日

アップルの規制強化

経済が乱高下する中、ハイテク大手のアップルは、規制当局が同社のエコシステム内の競争慣行を掘り下げていると報じられ、逆風に直面した。過去の傾向から、このような調査に対する市場の反応は薄れる傾向にあるが、アップルの大きな市場シェアと相まって、この調査の広範な性質は投資家に懸念を抱かせた。エコシステム内の競合アプリが排除される可能性があることも懸念に拍車をかけ、株価のパフォーマンスに影響を与えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)はデータに依存したアプローチをとり、その将来の行動に関して市場を混乱に陥れた。3月の利下げ観測は、今後のインフレ指標にかかっていた。パウエルFRB議長の記者会見よりもタカ派的なトーンで示された12月のFRB議事録のメッセージはまちまちで、不確実性に拍車をかけた。投資家はさまざまなシグナルを受け止め、複雑な経済情勢に対するFRBの対応に頭を悩ませた。

目前に迫った銀行の決算

市場が週を終えると、注目は間近に迫った企業決算シーズンに移り、銀行がその主役となった。銀行セクターのベンチマーク株価指数であるKBW銀行指数は、JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループなど主要企業の好業績を期待し、10ヵ月ぶりの高値をつけた。景気の逆風を乗り切る銀行セクターの能力が注視され、より広い市場の軌道を洞察する材料となるだろう。

これ以上耐えられない!吹っ飛ぶぞ pic.twitter.com/HOC2YEMX9j
- ゼロヘッジ (@zerohedge) 2024年1月5日

市場に影を落としている重要な懸念事項のひとつは、迫り来るインフレの恐怖である。コンセンサス予想では、S&P500種指数は今年12%の増益を見込んでいるが、このような高水準の数字が達成可能かどうかについては懐疑的な見方が広がっている。さまざまな経済データが混在し、マクロ環境が軟化する可能性もあることから、急成長の持続可能性に疑問が投げかけられている。投資家は、今後数週間のうちに厄介なインフレ・サプライズの兆候がないか、慎重に見守っている。

次の供給主導のインフレショックがやってくる pic.twitter.com/2H7ppdmRVQ
- ゼロヘッジ (@zerohedge) 2024年1月5日

1月第1週は、経済指標、規制上の課題、企業業績が複雑に絡み合い、1年間の相場変動の舞台を整えた。市場が決算シーズンに入り、特に銀行セクターでは、インフレとFRBの対応に不透明感が残るなか、投資家はさらなる乱高下に備えている。今後数週間は、経済分析と企業精査の微妙なバランスが予想され、市場は2024年の混迷と波乱の幕開けの余波と格闘することになる。

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