ロシアが勝利しつつあるなか「軍隊を配備し始めたNATO」

ウクライナ軍の空白を埋めるため、「アドバイザー」を投入し、災難を回避しようとする計画のようだ。

Stephen Bryen
Asia Times
April 26, 2024

NATOはウクライナに戦闘部隊を派遣し始めている。ポーランド、フランス、英国、フィンランド、その他のNATO加盟国からの兵士が大挙して到着している。

ロシアはウクライナに3,100人以上の傭兵がいると言っているが、新たに到着したこれらの部隊は傭兵ではない。彼らは制服を着ており、記章によって母国を宣言している。彼らは、東部での実際の戦闘の近くにいる場合もあるが、ほとんどがウクライナの西部に集中している。

NATOは、これらの兵士は戦闘要員ではなく、西側の高性能ハードウェアを操作するためにウクライナにいるのだと発表している。しかし、もし彼らがロシア軍に向かって発砲しているのであれば、彼らの存在を解釈する唯一の適切な方法は、銃撃戦に積極的に参加しているということだ。

多かれ少なかれ、これはアメリカがベトナムに「アドバイザー」を派遣したときと同じパターンだ。 実際、彼らは戦闘に従事する米軍特殊部隊だった。

バイデン政権は、少なくとも世間向けには、ウクライナにNATO兵を派遣することには反対だと言っている。しかしバイデンは、ウクライナで米兵を戦わせる命令を下す前に、本当は再選を待っているのかもしれない。バイデンが再選されれば、彼には自由裁量権が与えられる。最近、ウクライナのために600億ドルの航空法案が可決されたことは、バイデン政権が「ロシアと戦う」ために何をしようと、議会がそれに従うことを示唆している。

国家安全保障体制は、ウクライナにおけるロシアの勝利を恐れている。それはアメリカの安全保障戦略における大きな後退となり、NATOにとっては致命的な打撃となるだろう。

伝えられるところによれば、ロシア軍の規模はウクライナ戦争前より15%も大きくなっている。 また、経験もはるかに豊富で、ジャミングやスプーフィングといったアメリカのハイテク・システムに対処する方法を見出している。

一方、NATOは武器、人員、産業力においてロシアに大きく遅れをとっている。さらに、兵器の備蓄は非常に少なく、国防のためと思われる装備はウクライナに送られ、防衛は手薄になっている。

ウクライナはロシアとの戦争に敗れ、軍の崩壊に直面する可能性があるというのが、アメリカの国家安全保障体制の総意である。

ウクライナ軍のいくつかの旅団が指揮官の命令を拒否したという報告はすでにある。その中には、第25空挺突撃旅団、第115旅団、第67機械化旅団(チャシヴ・ヤールの陣地を放棄)、第47機械化旅団(前線で1年以上活動した後、交代を要求)などが含まれる。これらは陸軍のトップ旅団であり、領土防衛部隊ではない。

ロシア側は事情を知っており、外国軍を標的にする一方で、ウクライナの戦闘部隊を削り、多くの死傷者を出している。 ロシア側によれば、ウクライナはこの戦争ですでに50万人近い兵力を失っており、戦闘で破壊された兵力は日々増加しているという。

ウクライナは新兵探しに必死で、ウクライナ人徴兵難民が潜伏している国々から援助を受けている。 リトアニアは、ウクライナ人の徴兵対象者を帰国させることを計画している。 ポーランドも同様だ。

ウクライナのF-16パイロットの訓練に関する報告書も明らかになっている。ウクライナ人と共に働いている西側の将校の何人かによれば、F-16の操縦をパイロットに教えて1年経っても、進歩は成功とは言い難い。言葉の壁や、西側のシステムや戦闘戦術に不慣れなことが、学習プロセスを遅らせていることが証明されている。噂によると、F-16がこの夏ウクライナに到着し始めると、飛行機はヨーロッパ空軍の「引退した」パイロットたちによって扱われることになりそうだという。

NATOの災難回避計画は、ウクライナ軍の空白を「アドバイザー」の輸入で埋めることで、11月の選挙後に米国が軍を投入するのを待っているようだ。ロシアはこのことを知っており、バイデンが大統領に返り咲く前にウクライナの軍隊を崩壊させようと躍起になっている。 ロシアが成功すれば、ヨーロッパでの大規模な戦争は避けられるだろう。そうでなければ、米軍が投入され、ヨーロッパは第三次世界大戦に突入するだろう。

スティーブン・ブライエンは、上院外交委員会近東小委員会のスタッフ・ディレクターや国防次官補(政策担当)を務めた。

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