マイケル・ハドソン「文明の命運」p.221

今日、多くの国々が、自国の経済に対する米国のディリギズムに代わるものを作ろうと動き出している。1960年代から70年代にかけての非同盟諸国では、このような脱却は不可能であった。 人口が多くても、自立するための多様性や自給自足に欠けていた。しかし、1990年代以降、特に中国がWTOに加盟してからは、米国に残された手段は砲艦外交、「政権交代」クーデター、NATO衛星を操作してロシア、中国、その他ワシントンコンセンサスに従わない政策をとる国に対して制裁を加えることだけである。一方、米国は世界に信用を供給する代わりに、外国の中央銀行がドルの借用書(米国債)を無制限に受け入れて支援するよう要求している。そして、米国をはじめとする投資家や銀行家は、自分たちがコントロールできないものを弱体化させ、孤立化させようとする。

金融資本は、自分たちのために強い国家を望んでいるが、利益やレントを侵食する代償として、労働消費者や環境、社会の進歩のために役立つことは望まない。だからこそ、米国外交は中国とロシアを、米国を中心とするレンティア富の世界的拡大に対する存立危機事態とみなし、中国と上海協力機構(SCO)の近隣諸国が金融システム、土地、天然資源を社会化し、インフラ公共事業を私的に独占して経済レントを吸い上げるのを防ぐために公共性を維持しないよう、阻止しようとする。

この対立がますます攻撃的、軍事的な色合いを強めていることは、世界の貿易・通貨関係、さらには米国と西欧の間の関係をも分断している。パイプライン「ノルド・ストリーム2」に反対するドイツが米国の国策に屈したことは、ロシアが中国を中心とするアジアに軸足を移すことに強く貢献している。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、2020年12月8日、次のように説明した。「明らかに、欧州連合は、出現しつつある多極的世界秩序の中心のひとつになる試みをあきらめ、今はただ米国からの指示を仰いでいる。」

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なかなか忙しい1日でした。
これから飲み会なので、今日はこの翻訳だけになりそうです。
@Anuradhapura/Sri Lanka