アストラゼネカ「新型コロナ・ワクチンを全世界で回収」

まれに血栓を引き起こす可能性があるとの疑惑を受け、同社は窮地に立たされていることに気づいた。

RT
8 May, 2024 10:00

アストラゼネカ社は、新型コロナ・ワクチンの世界市場からの回収を発表した。

同製薬会社は最近、同ワクチンがまれに致命的な血栓を引き起こす可能性があることを認めた。

複数のメディアが引用した水曜日の声明で、アストラゼネカの広報担当者は、パンデミックの開始以来、ワクチンの複数の亜種が開発され、製造も開発も中止されたバクスゼブリアに対する需要の減少につながっていると述べた。広報担当者はまた、「使用開始初年度だけで650万人以上の命が救われ、全世界で30億回分以上が供給された」とする独自の推定を引用した。

アストラゼネカのワクチンは、新型コロナの流行が世界保健機関(WHO)によってパンデミックと宣言された直後の2021年初頭に展開された。アストラゼネカは今年3月、欧州医薬品庁の確認を得て、EUにおける同ワクチンの上市承認を自主的に取り下げた。

その直後、アストラゼネカは、一部の患者に血栓を生じさせる可能性があるとの懸念から、多くの欧米諸国がワクチンの使用を一時停止したため、物議を醸した。しかし、当時のEU保健当局は、接種の利益は依然としてリスクを上回ると主張していた。

ここ数ヶ月、アストラゼネカのワクチンは「欠陥品」であり、予想以上に安全性が低いとして集団訴訟を起こされ、製薬会社は苦しい法廷闘争を強いられている。同社はこの主張を否定している。

原告側は、ワクチンが血小板減少を伴う血栓症症候群(TTS)を引き起こしたと主張している。TTSとは、血栓ができることで血流が悪くなり、血小板数が減少することで出血が止まりにくくなるまれな症状である。このワクチンによって引き起こされたTTSは、英国内だけでも数十人の死者、数百人の重傷者を出していると考えられている。

同社は当初、この症状と製品の使用との関連性を否定していたが、昨年2月に英国高等法院に提出された裁判資料の中で、「アストラゼネカのワクチンはごくまれにTTSを引き起こす可能性がある」ことを認め、「因果関係は不明である」と付け加えた。また、同ワクチンは「許容できる安全性プロファイルを有する」と主張している。

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