プーチン「イランにイスラエル攻撃延期を要請、仲介を申し出」

ロシアのショイグ前国防相は、イスラエルとの紛争調停を申し出るプーチン大統領の親書をイランの指導者に手渡した。

James Davis
Asia Times
August 7, 2024

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、イランの指導者たちに個人的な書簡を送り、イスラエルに対する軍事行動を控えるよう求めた。

この書簡は、月曜日にテヘランに到着したロシアのショイグ前国防相によって手渡された。

ショイグは、イラン国家安全保障会議のアリ・アクバル・アフマディアン議長、イラン軍のモハマド・バゲリ参謀総長に会う予定である。

また、イランのマスード・ペゼシュキアン新大統領とも会談する予定だと、『インタファクス』通信は報じている。

イランは、7月31日にハマスの指導者イスマイル・ハニヤが暗殺されたことに対し、イスラエルに報復すると宣言した。イスラエルはこの暗殺について公式コメントを発表していない。

ハニヤと彼のボディーガードの一人は、外国要人用の安全なゲストハウスでの爆発で死亡した。ハニヤはペゼシュキアン大統領の就任式に出席していた。

その数時間前、イスラエルの空爆により、イランの盟友であるヒズボラ司令官フアド・シュクルが殺害された。イランの革命防衛隊は、「適切な時、場所、方法で」イスラエルに「厳しい懲罰」を与えると宣言した。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、イランの最高指導者ハメネイ師は、ハニヤ暗殺への報復としてイスラエルを攻撃するようイラン軍に指示したという。

イランの可能性のある行動とイスラエルの潜在的な対応について、さまざまな憶測が広がっている。4月13日、イランはイスラエルに向けて300発以上の弾丸を発射した。ほとんどすべてがイスラエルとアメリカの防空システムによって撃墜された。

イスラエルとイランの衝突においてロシアが果たしうる役割は、依然として未解決のままである。ロイター通信は 8月6日、プーチンがイランに対し、イスラエルへの軍事行動において民間人の犠牲を避けるよう要請したと報じた。

同通信は、ショイグがテヘランでこのメッセージを伝えたと伝えた。同通信はまた、イランがロシアに対し、ロシアの最新鋭機体のひとつであるSu-35戦闘機の売却を要請したとも報じた。この要請に対するロシアの回答は伝えられていない。

ニューヨーク・タイムズ紙は8月5日、ロシアがイランに防空システムを送っていると報じた。ロシアの情報筋によれば、ロシアは現在進行中のウクライナでの作戦で余剰の兵器を持っておらず、イランに最高の防空ハードウェアを提供する可能性は低い。

ショイグのテヘランでの話し合いに詳しい情報筋によれば、イランはプーチンの提案を考慮したが、交渉の一環としてロシアのハイテク兵器、具体的には射程距離400kmで複数の目標を追尾できるロシアのS-400防空システムを要求したという。

イランは2016年以来、ロシアの古いシステムであるS-300を保有しているが、最新版を保有しているかどうかは不明である。

一部のアナリストは、S-400はF-22やF-35のようなアメリカのステルス機を追跡できると考えている。ロシアがウクライナ紛争の要求のために、最高の武器顧客であるインドに以前契約したS-400システムの出荷を遅らせていることを考えると、これはありそうもない。

イスラエルはロシアと緊密な連絡を保ち、シリアにいるロシア軍に対し、イランと連携している民兵に対する数千回に及ぶ攻撃について助言してきた。ロシアは防空を停止し、イスラエルが妨げられることなく活動できるようにしている。

ウクライナ戦争でイスラエルは窮地に立たされている。ウクライナに軍事支援を提供することで、ロシアの逆鱗に触れたくないのだ。

アメリカはイスラエルに対し、最大8基のパトリオット・ミサイル・システムをウクライナに売却するよう要請しており、この件は現在も交渉中であると伝えられている。

パトリオットはウクライナにとって特に重要で、約60キロの射程で滑空弾を発射するロシア軍機に対する唯一の防衛手段だからだ。

もしプーチンがイランとの交戦の可能性を回避することでイスラエルを助けるのであれば、彼は見返りを求めるだろう。

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