ポール・クレイグ・ロバーツ「拡大し続ける戦争」


Paul Craig Roberts
2023年8月6日

私は17カ月前から、ウクライナ紛争を終結させるために十分な武力を行使しようとしないクレムリンの姿勢が戦争を拡大させていると警告してきた。 そして今、ダグラス・マクレガー大佐から、ポーランド軍1個師団がウクライナに配備される準備が整いつつあるとの情報を得た。

「ワルシャワは、NATOの反ロシア聖戦のリーダーとしてワシントンで重宝されているが、ロシアの軍事的弱点に対するベルトウェイの信念に安らぎを見出している。それだけに、ワルシャワはモスクワとの直接対決のリスクを冒すこともいとわないようだ。ワルシャワのフランス情報筋によれば、もしウクライナ軍が追い返されれば、『ポーランド人は今年、ポーランド人、バルト人、そして一定数のウクライナ人を含む第一師団を導入するかもしれない。』」

「ワシントンはモスクワを見誤っている。ロシアの国家司令部当局は、ワルシャワの行動がワシントンの意図と一致していると考えているかもしれない。バイデン大統領が、現在ウクライナに派遣されている(はずのない)米兵に危険手当を支給するという大統領令を出したことは、間違いなくこの考えを補強している。」

「しかし、ポーランドの尻尾がアメリカの犬を振りたいと思っている可能性の方がはるかに高い。ポーランド人は、歴史的なガリシア・ウクライナへの軍事介入がベラルーシとロシアの双方からの軍事的反応を引き起こすことを知っているが、ワルシャワはまた、ヨーロッパのワシントンの空軍と地上軍が、ポーランド軍が負け戦を戦っている間、ウクライナ、ルーマニア、バルト海沿岸でおとなしく座っていることはないだろうという理由もある。」

マグレガー大佐は、モスクワが紛争を閉鎖しない限り、より広範な戦争が起こるという私の意見に同意する。

「アメリカのロシアとの代理戦争によって、ウクライナは墓場と化した。ポーランドがロシアとの戦争に熱中するのは、ポーランドがウクライナの例に倣うことを助長する。西側諸国が地域紛争に巻き込まれる前に、ウクライナに対してロシアの全軍事力を同時に行使するしかないのだ。手遅れになる前に和平を結べ、愚か者ども。」

私は、クレムリンがワシントンを読むことができず、ロシアの介入をウクライナのロシア領にとどめることで、クレムリンが西側に安心させるシグナルを送っていると考えていることが不穏であり、恐ろしいと言うべきだろう。 ロシアに対する西側の意図は、ロシアの安心とは無縁である。

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