EUトップ外交官「移民問題でブロックが『解体』しかねない」と警告

国境政策をめぐる分裂の拡大が、加盟国の結束を脅かす可能性があると、ジョゼップ・ボレル氏が指摘した。

RT
23 Sep, 2023

欧州連合(EU)のジョゼップ・ボレル外交政策委員長は、移民が27カ国からなる欧州連合(EU)にとって「溶解する力」になりかねないと警告し、一部の加盟国は単「外からの人々を受け入れたくない」だけだと主張した。

金曜日に掲載された『ガーディアン』紙とのインタビューで、ボレルはヨーロッパ全土でナショナリストの感情が高まっていることを指摘し、「これまで共通の移民政策で合意することができなかった」と指摘した。

「移民問題はEUにとってより大きな分かれ目だ。移民はEUにとってより大きな溝であり、EUを崩壊させる力にもなり得る: EUの加盟国の中には、日本的な考え方の国もある。移民はいらない。私たちは移民を受け入れたくない。私たちは自分たちの純粋さを求める」

しかし、ボレル氏は、ヨーロッパの現在の「人口増加率の低さ」は、一部の国家が移民の流入を必要としていることを意味すると主張し、この状況を「パラドックス」と呼んだ。

「労働力という観点から生き残りたいのであれば、移民が必要なのだ。」

ボレル大統領の発言は、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領が、「ドイツはイタリアと同様、移民受け入れの限界に達している」とイタリアの新聞に語った数日後に出たものだ。

大統領は、「東部国境、シリア、アフガニスタンからの強い移民」と、昨年1年間の「ウクライナからの100万人を超える難民」の到着を挙げ、ヨーロッパにおける移民の「公平な分配」を確保するための「恒久的な連帯メカニズム」を求めた。

ディ・ヴェルト紙によると、ローマも移民急増の中で国境政策を再検討しており、当局者は昨年12月、イタリアが「一定期間」移民移送を停止すると他のEU加盟国に通告したという。この動きは、同国の受け入れ能力に関する「突然発生した」技術的な問題に関連しているという。

ボレルは、移民をめぐる反対意見がいずれEUの完全性を脅かす可能性があると警告する一方で、今のところ、EU圏は無傷であることを約束した。英国のEU離脱決定は、他の加盟国にとって「ワクチン」の役割を果たしたとし、「英国のEU離脱に続きたいとは誰も思わない」と述べた。

EUが貧困やアフリカ、中東での戦争による経済移民だけでなく、難民の流入に見舞われた2015年以来、移民問題はEU内で大きな争点であり続けている。

ハンガリーやポーランドなど一部の国は、当初は他の加盟国に到着した移民の受け入れと定住を強制しようとするブリュッセルの試みに強く反発した。一方、イタリア政府は、北アフリカからの移民を輸送する船舶に対して港を閉鎖し、他の加盟国が移民受け入れの負担を分担すべきだと主張している。国境管理の強化を求める声は、2016年の英国のブレグジット国民投票における「離脱」キャンペーンの原動力のひとつでもあった。

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