「イスラエルによるイラン攻撃」-これまでに分かっていること

イスラエルがナタンズ核施設を守る防空施設を攻撃したとの報告、結果は未報告

2005年3月、テヘランから295km離れたイスファハンにある中国の「研究用原子炉」。写真 Asia Times fies / AFP
Stephen Bryen
Asia Times
April 20, 2024

イスラエル空軍は、おそらく無人機を使って、イランのイスファハンにある空軍基地を攻撃、または近隣の施設を攻撃した。

空軍基地の正式名称は明らかにされていないが、ヘサ空軍基地の可能性が高い。この空軍基地は、イラン国王のために建設され、1974年にさかのぼるベル・ヘリコプター複合施設の後継であるイラン航空機製造会社に関連している。 この施設は巨大で、ベル・ヘリコプターの214型機やその他の機種、そして現地生産機種をフル稼働で生産している。


イスファハンのベル・ヘリコプター施設

この空軍基地はまた、近隣のナタンズ・ウラン濃縮施設と3基の中国製原子炉を守る役割も担っている。

エルサレム・ポスト紙によれば、イスラエルはナタンズ施設を守る防空拠点を攻撃したとのことである。イランの兵器開発計画におけるウラン濃縮の重要性を考えると、この施設はおそらくロシア製のS-300防空システムによって守られていたのだろう。この施設が破壊されたかどうかはわからない。

さらに、地政学アナリストのジェニファー・ダイヤーは、イスラエルはバグダッドにあるヒズボラ高官会議とイラクのバビルにあるミサイル工場も攻撃した可能性があると報告している。また、シリアでの攻撃はミサイル製造施設を狙ったものであった可能性もあるという。

さらにイスラエルは、レバノンとヨルダン川西岸で対テロ作戦を実施した。

報道によれば、イランは核施設や、イランの首都テヘランにある大規模な国際空港などの空港を閉鎖した。しかし、攻撃から数時間後、閉鎖命令は取り消され、通常の民間航空便の運航が再開された。

イスラエルの攻撃による死傷者の報告はない。

米国は、イスラエルによる攻撃があることを4日前に知らされていたと発表したが、攻撃目標は国防総省には知らされていなかったようだ。

イスラエルの航空機は、米国と何らかの調整をしなければ、この地域で活動することはできない。 それでも、国防総省は攻撃とは無関係であることを明らかにした。米国は、この攻撃について直ちに非難することはなかった。

イスラエルはまた、イラン側と追跡データを調整していた可能性があるという2つのシリア軍のレーダーサイトも破壊した。これらのレーダーが攻撃された理由はこれではないかもしれない。通常、イスラエルはデコンフリクション協定に基づき、シリア領空での作戦をロシアに通知する。この場合、ロシアが情報を得たかどうかは不明である。

イランはS-300を中心とした防空システムでイスラエルの航空機や無人機を撃墜しようとした。知られている限りでは、イランの防空システムは効果がなかった。

イランの初期の反応は、攻撃を軽視し、爆発はイスラエル軍機によるものではなく、現地で起きた可能性を示唆するものだった。イランはイスラエルに対してこれ以上の軍事行動をとるつもりはないことを知らしめた。

イスラエルは、イランのイスラエルに対する大規模な電撃攻撃に対する回答を求める内圧をかわそうとするとともに、イランがイスラエルの空軍に対していかに脆弱であるかというメッセージをイランに送っていたのかもしれない。さらに、イスラエルは、イランが再びイスラエルを攻撃すると公然と脅し続けていることが、本当の脅しなのか、それとも単なる威勢だけのものなのかを試していたのかもしれない。

スティーブン・ブライエンは、上院外交委員会近東小委員会のスタッフ・ディレクターや国防次官補(政策担当)を務めた。

この記事は彼のWeapons and Strategy Substackに掲載されたもので、許可を得て再掲載している。

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