ロシア、AIの「軍拡競争」に警戒を呼びかけ

安全策のない技術競争は「人類の存続を脅かす可能性がある」と、国連副大使ドミトリー・ポリアンスキーは警告した。

RT
25 Sep, 2025 18:53

ロシアの国連副大使ドミトリー・ポリアンスキーは、人工知能の急速な発展とこの分野における世界的な競争の激化が人類に存亡の危機をもたらすと警告した。

水曜日の国連安全保障理事会におけるAIに関するブリーフィングで発言したポリアンスキーは、より多くの国がこの技術の開発を推進する中、安全対策と規制の必要性を訴えた。

「AI競争――つまり、完全には理解も制御もされていない技術を急速に開発し、全ての利害関係者に対する十分な安全対策も講じずに地政学的ライバルを凌駕しようとする野心は、軍拡競争と同様に人類の存続そのものを危険に晒す可能性がある。これらの技術は重大なリスクをもたらし、国際関係システム全体の安定に影響を与え得る新たな要因となりつつある」と彼は述べた。

ポリアンスキーは、AIツールがソーシャルメディア上でニュースや偽情報を拡散することで世論や選挙結果を操作したり、重要インフラを混乱させたりする可能性があると警告した。

ポリアンスキーは安全保障理事会でこの問題を提起するのは時期尚早だとしつつも、包括的なフォーラムでの議論を促し、ロシアは国連主導のAIガバナンスを支持すると付け加えた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長もブリーフィングで同様の懸念を表明し、AIが食糧不安対策、地雷除去、紛争予防に役立つ一方で、「規制がなければ兵器化される可能性もある」と警告した。事務総長は、総会が先月、ガバナンスと協力を調整するため、グローバルフォーラムと専門家パネルという2つの新たなAI機関を設立したことを指摘した。

ChatGPTの登場から3年、AIブームが巻き起こり、投資家が数十億ドルをこの分野に注ぎ込んでいる。公開資料によれば、メタ、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットは今年だけで数百億ドルを支出しており、2026年までに4000億ドル超の投資を計画している。専門家らはこの急増がバブルを引き起こし金融危機を招く可能性があると警告する一方、厳格な安全対策がなければ技術自体がパンデミックの設計から暴走AIに至るまで、人類存亡の危機をもたらすと指摘する者もいる。

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