ポール・クレイグ・ロバーツ「ハマス・イスラエル紛争に対するロシアの見解」


Paul Craig Roberts
October 12, 2023

ジョン・ヘルマーによるモスクワからの報告に基づく

ポール・クレイグ・ロバーツ

ロシア外務省のザハロワ報道官は尋ねた:

「イスラエルの最も緊密な同盟国である米国が、このような事態を警告しなかったのはなぜでしょうか?彼らは至る所に衛星を配備し、適切な追跡装置を備え、この地域を含む軍事基地を持っている。アメリカ製の機器(ハードウェアとソフトウェア)で流通するすべての情報を、モニタリングするだけでなく、監視するあらゆる可能性がある。このような大規模な作戦を準備する丸1年間、アメリカは特殊部隊のあらゆる力を駆使して、イスラエルに情報としては何も発信しなかった。中東で対応する作戦を準備する丸1年間、アメリカがイスラエルのパートナーに情報を発信しなかったのはなぜか?」

モスクワの安全保障問題アナリスト、エフゲニー・クルチコフは、ハマスの攻撃に使われた大量の武器について、次のように語る。「空から降ってくるはずがない。 どうやって(ガザに)たどり着いたのか? 」

ロシアの軍事思想のプラットフォームである『Vzglyad』誌は、ハマスの攻撃は「イスラエルの防衛システムをめぐる神話を破壊した」と結論づけ、ハマスにとっては攻撃の軍事的成功よりも重要な道徳的勝利を達成したとする記事を掲載した。

イスラエルがロシアに対してウクライナを支援したことで、クレムリンはイスラエルとの関係を見直すことになった。 『Vzglyad』誌は、イスラエル政府がロシアの敵対者になったと報じた:

「パレスチナ問題で新たな立場を取る時が来た。自国の利益の枠内でロシアを助ける人々(イラン、サウジアラビア)の側に立ち、敵を助ける人々に対抗する。それによって、世界に対して非常に明確なシグナルを送ること、つまり、ロシアは自国を扱うように自国のパートナーも扱うというシグナルを送ること。支持者を助け、敵対者の利益のために行動しないということだ。」

イスラエルの軍隊が、あまりに多くのアメリカの資金によって堕落し、過去の成功体験に甘んじ、アラブ人を過小評価している可能性はある。 ワシントンはもはや中東における一強ではない。ロシア人、トルコ人、シリア人、イラン人、サウジアラビア人、そしてレバノンのヒズボラは皆、パレスチナを助けに行くことができる。 ヒズボラだけでも、イスラエルのレバノン侵攻を2度撃退している。 ネタニヤフ首相のガザ侵攻は、イスラエルの存続を危うくしかねない。

つまり、ネタニヤフ首相のパレスチナ征服完了計画は、イスラエルを破滅させる可能性があるのだ。 他方、イスラム教徒間の敵対は、再びイスラム教徒の無力とイスラエルの成功をもたらす可能性がある。

私の当初の見方は、ハマスの攻撃によってパレスチナは消滅し、誰も干渉しなくなるだろうというものだった。 今は確信が持てない。 ネタニヤフ首相は広範な紛争を引き起こす可能性があり、そこからイスラエルが勝利者になることはなく、ワシントンは敗北を受け入れるか、核兵器を使用するかの選択を迫られることになる。

johnhelmer.net

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