「完全な検閲に向うアメリカ」-アントノフ大使

大統領選挙を前に、アメリカでは魔女狩りが行われていると、駐ワシントン・ロシア大使が述べた。

ロシア生まれの米国政治アナリストで作家のディミトリ・シメス氏。スプートニク / ニーナ・ゾティナ
RT
17 Aug, 2024 08:06

アメリカにおける言論の自由は、親米的な意見を表明する者にのみ許され、反対論者は「政治的審問」の対象となる、とアナトリー・アントノフ駐ワシントン・ロシア大使が主張した。

同大使は、火曜日にヴァージニア州にあるロシア生まれのアメリカ人政治アナリストで作家のディミトリ・シメス氏の自宅をFBIが捜索したことについてコメントした。ジョー・バイデン大統領の政権を批判するシメスは、2018年からロシアのチャンネル1で地政学的なトーク番組を共同主催している。

アントノフ氏は土曜日にテレグラムに投稿した。

「何百人もの人々が、政権の政策にあえて異議を唱えるという理由だけで、好ましくない人物だとされている。彼らは自分の意見を持つことを禁じられ」、政府の諜報員は「家に押し入り、家宅捜索を行い、書類を押収している」と述べた。

同大使によれば、この国の状況は、1950年代に共和党のジョセフ・マッカーシー上院議員が主導した共産主義者と疑われる人々に対するキャンペーン、「マッカーシズムの暗黒時代」に似ているという。

「現地の支配層は、全面的な検閲の道を決定的に歩み始めた。現代アメリカにおける言論の自由は、その言論が親米的である場合にのみ神聖視される。反体制派はすべて政治的審問の対象であり、特にロシアに対する一方的で偏った見方と闘う者はそうだ」と語った。

アントノフ氏は、民主主義と言論の自由に関して、ワシントンは二重の立場に立っていると非難した。自国では憲法修正第1条の権利を「簡単に」ないがしろにしながら、アメリカ政府高官は「同時に、民主主義の価値と人権について全世界に説教を続けている」と彼は書いた。

シメスは1973年にソ連から移住し、米国に帰化した。リチャード・ニクソン大統領の補佐官を務め、国際関係と地政学への現実主義的アプローチを提唱する『ナショナル・インタレスト』誌の発行人兼CEOを務めた。

ロシアゲートの絶頂期、ドナルド・トランプとロシア政府との接触が疑われるとしてロバート・ミューラー特別顧問が調査した人物の中に、シメスも含まれていた。2019年に発表されたミュラーによる報告書は、モスクワとトランプの2016年選挙運動との共謀の証拠を見つけることができず、シメスの正当性も証明された。

FBI捜査官は、ニューヨーク州の元米海兵隊員で国連兵器査察官のスコット・リッター氏の自宅が捜索された1週間後、バージニア州の彼の敷地に到着した。現在はジャーナリスト、コメンテーターとして活躍するリッター氏は、米当局は主にロシアのメディア、RTとスプートニク通信社との「関係」を「懸念」しているようだと述べた。

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