イタリア「米軍無人機墜落でエスカレーションを警告」

アントニオ・タヤーニ外務大臣は、人為的なミスや一個人の攻撃的な行動が、ロシアと西側諸国との対立を引き起こす可能性があると警告している。

RT
2023年3月15日

イタリアのアントニオ・タヤーニ外務大臣は、黒海での米国の無人機墜落事故は、モスクワとワシントンの関係に大きな緊張をもたらす瞬間となった、と水曜日に述べた。また、欧米とロシアが直接衝突するのを避けるため、警戒するよう促した。

火曜日、米国はロシアがクリミア沖で偵察飛行をしていたMQ-9リーパー無人機を撃墜したと非難した。ワシントンは、同機が国際空域で通常の任務を行っていたところ、ロシアのSu-27の2機に迎撃され、燃料をドローンに投棄し、1機がリーパーのプロペラに衝突したと主張した。

しかしロシアは、自国の戦闘機がアメリカの無人機に接触したわけでも、武器を発射したわけでもないと主張し、MQ-9は「制御不能な飛行に入り」、「鋭い操縦の結果」墜落したと付け加えた。

タヤーニ氏は、テレビ局「スカイTG24」の取材に応じ、今回の事件で米国とロシアはそれぞれ厳しい姿勢を示したが、「この事件を詭弁にしない」ことを試みたと示唆した。「毅然とした態度で臨んでいるが、エスカレートさせようとはしていない」と指摘した。

しかし、現在の情勢では、「人為的なミスや個人の攻撃的な行動によって」事態がエスカレートする可能性があると、大臣は警告した。

最悪のシナリオを回避するためには、「欧州とNATOの国境で活動する人々の側に、多くの慎重さが必要だ」とタヤーニ氏は説明した。

タヤーニ氏の発言は、米国家安全保障会議のジョン・カービー調整官(戦略的コミュニケーション担当)が火曜日にCNNに語ったところによると、ワシントンはウクライナ紛争が「ウクライナ国民に対してすでに行ったこと以上にエスカレートする」ことを望んでいないのは確かだという。しかし、ロイド・オースティン米国防長官は、今回の事件にもかかわらず、米国は「国際法が許す限り、飛行を続け、活動する」と断言した。

また、火曜日には、今回の事件を「挑発」と非難しながらも、アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使は、ロシアはワシントンとの「対立を望んでいない」ことを示唆した。

水曜日、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、無人機墜落事件に関して、モスクワはワシントンとハイレベルな接触はしていないと述べた。また、モスクワとワシントンの関係は現在「嘆かわしい状態」にあるが、ロシアは「建設的な対話を拒んだことはない」と付け加えた。

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