マイケル・ハドソン「文明の命運」p.229

西側諸国が導入した独裁的手法のもう一つの例は、「望ましくない政権」を罰したり、競争相手を遠ざけることだけを目的とした、国際的・法的根拠のない一方的な制裁を課すという慣行である。私たちは、世界情勢に全体主義を押し付けようとするこのような努力は容認できないと考える。しかし、私たちの西側の仲間、とりわけ米国、欧州連合、その他の同盟国から、世界舞台における民主主義と多国間主義の原則をすべて否定するような動きがますます見られるようになってきた。まるで、我々のやり方に従うか、それとも痛い目に合うか、とでも言うかのように。

欧米の指導者たちが、公然と国際法を貶めながら、世界政治の主な仕事は、ロシアと中国が「ルールに基づく秩序を変えようとする試み」に対抗することだと主張することを躊躇しないのは、驚くべきことである。つまり、西側諸国はもはや国際法の規範に関心を持たず、今やすべての人に自分たちのルールに従い、自分たちの秩序を守ることを要求しているのである。さらに、米国の代表者は、米国と英国がこのようなルールの形成に最も大きく関与してきたことを自由に認めている。

ロシアは、ドイツ、フランス、イタリアなどの各国政府と対等に付き合うことを厭わないが、ブリュッセルの汎欧州政策が米国の冷戦時代の対立軸を支えることに尽力しているため、ブリュッセル経由で欧州と付き合うことはあきらめた、とラブロフは発表した。米国主導のグローバリズムの否定は、第二次世界大戦後に広まった「一つの世界」の理想主義からの根本的な脱却を意味する。戦争はナショナリズムの産物であると考え、その解毒剤として、世界平和と相互の経済的利益をもたらすグローバリズムを期待する人が多かった。しかし、グローバリズムが、自国の企業や銀行にとって都合の良いことが、世界にとっても都合の良いことであるかのように、利己的な米国のナショナリズムを世界に押し付ける形になるとは、予想もしなかった。

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いよいよ明日で、11章の最後まで第2部すべてを翻訳し終えることになります。