ポール・クレイグ・ロバーツ「存在しなかった『ロシアのクーデター』」

虚偽のシナリオがいかに早く定まったかに驚く。
ダグラス・マクレガー大佐は、クーデターはなかったという私の意見に同意している。
彼はまた、永遠の戦争が核戦争につながっていることにも同意している。


Paul Craig Roberts
2023年6月26日

ロシア政府とメディアが西側諸国と一緒になって「武力反乱」を宣言し、そのシナリオを固めることの不幸な効果は、プーチンの信用を失墜させるという西側諸国の目的に役立つことであり、任務に完全にコミットすれば「われわれは勝てる」という新保守主義者のプロパガンダに役立つことである。 政権を脅かすロシア軍内の反体制派という肖像を支持することで、自分たちに不利なプロパガンダに加担したとき、クレムリンやロシアのメディアの誰も考えていなかったことは明らかだ。 内部反体制という図式は、西側の手の内に入る。

危険なのは、自信を深めた西側諸国が、ロシアに対してより強くプッシュすることだ。 これは、ロシア軍幹部がプリゴジンをなだめることに失敗した不幸な結果である。

西側諸国では、先週土曜日の出来事に対する誤解が広がっている。 スコット・リッターやムーン・オブ・アラバマのような正常なレベルのアナリストでさえ、この出来事の重大な誤解を助長している。 リッターは、プリゴジンは「ヴィクトリア・ヌーランドのポケット」に入っており、ロシア国内のウクライナ情報機関と連携していると評した。 ムーン・オブ・アラバマは、この出来事をプーチンがウクライナで独立した軍事力を行使したせいだと非難している。

プリゴジンの「クーデター」を事前に知っていたという「アメリカ情報機関」の正体不明の「情報源」による勝手な主張が、おそらく最も馬鹿げている。 プリゴージンの導火線に火をつけることを知っていて、ミサイル攻撃を担当したのでなければ、どうしてそんなことができるのか? (ロシアのメディアでさえ、このばかげた主張を報じているhttps://sputnikglobe.com/20230625/american-media-claim-us-intelligence-learned-about-prigozhins-plans-for-mutiny-in-mid-june-1111453277.html )。

このエッセイは、現在の状況がどれほど危険なものであるかを考え、認識するきっかけになることを願いつつ、最後の見解で終わることにする。 もし実際にクーデター未遂があり、ロシアの指導者たちが宣言したように、プリゴジンと彼のワグナー・グループの部隊がロシア国家にとって危険な存在であったとしたら、なぜプリゴジンのベラルーシへの避難とワグナー部隊のロシア軍への入隊を認めることで事態が解決したのだろうか。 クレムリンはクーデターがなかったことを知っているのだろうか? それとも、クレムリンにはクーデターに対抗する軍隊がなく、プリゴージンと折り合いをつけざるを得なかったということなのだろうか?

これは、ロシアの国家存亡にかかわる危険な脅威に対する適切な結論なのだろうか?

「クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は土曜日の夕方、記者団に対し、プリゴジンに対する刑事事件は取り下げられ、プーチンの保証のもとにベラルーシに向かうと述べた。同報道官は、土曜日の出来事に関与したワグナーPMCのメンバーは、ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦での功績を考えれば、訴追されることはないだろうと付け加えた。」

www.paulcraigroberts.org