「欧米の対ロシア制裁」をめぐる中央アジアの活況


Phil Butler
New Eastern Outlook
11.10.2023

拡大し続ける西側の対ロ制裁リストは、予期せぬ、そしてあまり望ましくない効果をもたらしている。中央アジア諸国は、ロシア企業や投資家の進出により、前代未聞の成長を遂げている。

タジキスタンのGDP成長率7.5%、ウズベキスタンの予測6.5%、カザフスタンの5%、それに続くキルギスタンの4.6%をざっと見ただけでも、西側諸国が仕掛けた見事な経済戦争は負け戦だ。ウクライナの代理戦争とその経済的側面によって痛めつけられるのは、北米人とヨーロッパ人だけだ。

ワシントンの天才たちによれば、これらの中央アジア諸国は、ウクライナ危機をめぐって西側諸国が課した制裁を回避するためにロシアを助けているという。E.U.がインドの製油所経由でロシアからガスと石油を明日をも知れぬほど買っていることを考えれば、旧ソビエト共和国が西側の愚かさから利益を得ようとするのは当然のことのように思える。ワシントンとその同盟国がロシアに対してあらゆる手段を講じているにもかかわらず、世界中の多くの国々がロシア経済から恩恵を受け、援助している。軍事費が70%増加すると予測されても、ロシアの赤字は2%未満になるはずだ。そして、それを補うための借り入れもない。

貿易と協力を拡大するためのもうひとつの導線は、ロシア、ベラルーシ、アルメニアとのユーラシア経済連合である。この要素は、共通市場、規制の調和、自由貿易区の権限付与を通じて経済統合を促進する。これらのアジアのパートナーは、ロシアが商品や製品を輸出するのを支援したり、ロシアに輸出するために第三者から輸入したりすることで、その利点を最大限に活用している。ロシアにとっても貿易相手国にとっても好都合である。

ロシア企業がカザフスタンとキルギスを選んだのは、地理的に近く、文化的価値観を共有していることが主な理由だ。しかし、シルクロード・ブリーフィングによると、トルクメニスタンも同様の好景気に見舞われており、今年のGDP成長率は6.2%を超えている。首都アシュガバートでは、ロシアのインフラと技術投資が同都市のスマート化に拍車をかけている。

ロシアの経済シフトが引き起こした傷害には、侮辱もある。ロシアに800以上の店舗を持つバーガーキングのような企業は、閉店を約束したにもかかわらず、まだ営業している。先日、コカ・コーラの缶がタリバンによってロシア市場に出荷されている写真が送られてきた。そして、アメリカやヨーロッパ諸国からこれら中央アジアの輸入業者への輸出は活況を呈している。例えばスウェーデンでは、2023年にカザフスタンへの輸出量が前年比140%増となった。このような数字は、12カ国の西側諸国でも同様である。

一方、ほとんどの西側諸国は、相対的に輸出のマイナス成長を示している。要するに、ロシアは自分たちに対して課された経済措置のほとんどを回避することに成功しているのだ。データによれば、中央アジアへの最も大規模な貿易転換は、米国、英国、デンマーク向けである。正確には、イラン・ウズベク間の非エネルギー二国間貿易は103%増加している。ウズベキスタンへの輸出に占めるイランの割合は、BRICSやその他の国々が、すでにすべての経済投資とビジネスの道筋を塗り替えつつある新しい多極化世界を生み出す中で、指数関数的に増加している。

最後に、イランがタジキスタンにUAV工場を開設し、戦闘可能な無人機「アバビル2」を製造しているというニュースに、イスラエルのロビイストたちは、米国とその同盟国が軍事的、経済的、あるいは魔術師を使って、イランを阻止するために何かするよう必死になっている、

「中東と中央アジア全体を危険にさらす。」

最近、誰かを危険にさらしているのは、アメリカとヨーロッパの古い植民地支配国だけのように思える。次の選挙で、国際舞台にまともな指導者が現れることを期待しよう。

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