ギルバート・ドクトロウ「ニュース速報『ロシア、大規模な対応能力のために核の三重奏をテスト』」


Gilbert Doctorow
Armageddon Newsletter
gilbertdoctorow.substack.com
Oct 26, 2023

数日前、ロシアの夕方のニュースで、ウラジーミル・プーチンがロシア軍参謀総長のヴァレリー・ゲラシモフと会談するため、ドン州ロストフの南部軍司令部に到着する短い映像が流れた。プーチンが航空機に向かう途中、会談開始時の握手と終了時の握手が映し出されたが、訪問の理由については何も語られなかった。

今日の夕方、2日前の会談で話し合われたであろうテーマが判明した。ロシアのテレビのニュース速報では、無名の敵国からの核ミサイルの飛来に対応するため、核兵器3基の戦争準備態勢に関するテストが実施されたばかりであることが大まかに伝えられた。ゲラシモフは、バレンツ海の原子力潜水艦トゥーラから射程5500キロのシネヴァ弾道ミサイルを発射したこと、カムチャッカの地下坑道から射程1万2000キロのヤールス弾道ミサイルを発射したこと、TU-95「ベア」ターボプロップ爆撃機ミサイル運搬船(場所不明)から射程5500キロの巡航ミサイルを発射したことについて、プーチンに満足のいく結果を報告した。ミサイル発射の場所と攻撃可能な半径を考慮すると、攻撃される敵がアメリカであると結論づけるのに想像力は必要ない。

このテストは、過去1週間以内に発表されたアメリカの核兵器の「事前テスト」に対するロシアの反応であったと考えることもできる。 あるいは、ロシアのミサイル発射は、イランを攻撃して中東情勢をエスカレートさせないようにというアメリカへの警告だったと考えることもできる。

イランについては、昨日のロシア国営テレビが、北朝鮮の金委員長との平壌での会談から到着したラブロフ外相がテヘランを訪問し、イラン人およびアルメニア、アゼルバイジャンの代表と紛争解決をめぐって会談したことを伝えている。ラヴロフ氏は記者団に対し、戦略的パートナーシップ協定の締結をめぐるテヘランとの協議は90%終了していると述べた。

本日、ロシア国営テレビは、ミシュスチン首相がイランの指導者と二国間貿易の促進について会談したこと、またユーラシア経済連合との自由貿易地域協定が年内に締結される見込みであることを伝えた。「悪の枢軸」が、ウクライナや中東での戦争による圧力のもと、驚くべきスピードで形成されつつあることは明らかだ。

この2日間、イスラエルの指導者たちとバイデン政権のスポークスマンのイランに関するトーンの違いに注目したい。ネタニヤフ内閣のある閣僚は、イランを完全に破壊すると脅したが、アメリカの政府高官たちは、ガザへの地上侵攻が進んだ場合、イランがイスラエルに対する軍事行動を準備するために支援しているさまざまな代理人たちに注目している。さらに、米国が東地中海と紅海に集結させている大規模な海軍機動部隊が、イランに対する攻撃行動を意図したものなのか、それとも、この地域の米軍基地を親イラン勢力からの攻撃から守り、必要に応じて米軍と民間人をこの地域から避難させるための防衛行動を意図したものなのか、今だ不明である。

核の三位一体の実験の発表に関して、特筆すべき言語的なポイントがある:

ウラジーミル・ソロビヨフは昨夜の番組で、ロシアの戦略核兵器を表す「наступательный(攻撃的)」という言葉に注意を喚起した。 この言葉は「攻撃的」という意味だ。 では、これはいったいどういうことなのか? ロシアは先制攻撃思考に向かっているということだ。 ささいなことではない!

これに関連して、西側諸国の指導者たちを酔わせ、ロシアの抑止力を思い起こさせるために、ポーランドやルーマニアのような中途半端な場所でロシアに戦術核の使用を促し、西側諸国やロシアの同業者を激怒させた問題児の政治学者カラガノフが、今度は「核戦争は勝てる」という声明を発表したことを考える価値がある。

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