「木星の海洋衛星ガニメデ」で塩類と有機化合物を発見


Fantine Garnier
Sputnik International
4 November 2023

NASAの探査機ジュノーが2021年6月に木星の衛星ガニメデを通過した際、生命の存在に必要ないくつかの化学物質を検出した。この巨大な月には広大な地下の海があり、地球のすべての海を合わせたよりも多くの水を保持している可能性がある。

この発見は、ジュノーのJIRAM(Jovian InfraRed Auroral Mapper)分光計が収集したデータを調べているときになされた。今週初めにNature Astronomy誌に掲載された論文では、この発見について述べられている。

ジュノーのJIRAMは、水和塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸水素ナトリウムのような塩、そしておそらく脂肪族アルデヒドと呼ばれる有機化合物を発見した。

これらの塩と有機物の組成と空間分布は、それらの起源がガニメデ内部の水と岩の相互作用を反映する化学的な地下かん水の押し出しから生じた内生的なものであることを示唆している。

ジュノーの主任研究員であり、論文の共著者の一人であるサウスウェスト研究所のスコット・ボルトン氏は、「我々は、磁場によって保護された緯度の暗い地形と明るい地形に、塩類と有機物が最も多く存在することを発見した。これは、この凍った世界の表面に到達した深海の塩水の名残りを見ていることを示唆している」と述べている。

今日、ガニメデの広大な海は、この巨大な月にはほとんど大気がないため、氷の表面の下にしか見られない。しかし、水は今でも巨大な間欠泉を通してガニメデの上空に噴出しており、ジュノーも2021年のフライバイでこれを観測した。

ガニメデは太陽系最大の月で、惑星水星よりもさらに大きく、地球の約5分の2の大きさである。イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが1610年に最初の望遠鏡のひとつを使って発見した4つの木星の衛星のひとつである。

大量の液体の水が存在することから、ガニメデは太陽系で生命が存在する可能性のある最有力候補のひとつと考えられている。他にも、エウロパやカリストを含む木星の衛星、土星の衛星タイタンやエンケラドス、火星や冥王星などがある。

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