フィリピン「緊張高まる南シナ海に新たな『監視』基地」を開設


Ian DeMartino
Sputnik International
2 December 2023

南シナ海は、中国、ブルネイ、フィリピン、ベトナム、台湾(中華民国)などが領有権を主張し、数十年にわたり紛争が続いている。

フィリピンは金曜日に、南シナ海の紛争地域に新しい沿岸警備隊の監視基地を開設した。これは、フィリピンとアメリカ、オーストラリアとの協力強化と、同地域の合同軍事パトロールの発表を受けてのことだ。

フィリピンの政府関係者は、この基地とパトロールの拡大は、この海域における中国による「純粋ないじめ」に対抗するものだと述べた。中国は、アメリカや他の外国の利害関係者がこの紛争地域で問題を引き起こしていると非難している。

フィリピン船と中国船の衝突は昨年から激化している。10月には、1999年以来係争中の珊瑚礁、レンアイジャオ(別名セカンド・トーマス・ショール)の近くに置き去りにされている軍艦に送られる建設資材を中国船が阻止しようとしている最中に、フィリピン船と中国船が衝突した。

中国は、フィリピンが数十年来の約束である艦船の撤去を履行していないと主張し、フィリピンは艦船と水没した岩礁は自国の領土であると主張している。

緊張が高まる中、米国は紛争が発生した場合、フィリピンを防衛しなければならないと強調している。フィリピンは米国にとってアジアで最も長い歴史を持つ同盟国だ。

新しい沿岸警備隊の監視所はティトゥという名の小さな島にあり、レーダーや船舶追跡装置などを備えた2階建ての建物がある。フィリピンのエドゥアルド・アノ国家安全保障顧問とその他の政府高官は、1970年代からフィリピン軍に占領されている係争中の領土にある9つの島、小島、環礁のひとつであり、約250人の住民が住むティトゥ島に開所式に飛んだ。

アノは、パトロールが日本にも拡大する可能性を示唆した。「志を同じくする国々がオブザーバーや参加者として参加することは大歓迎だ」と記者団に語った。

フィリピンに加え、ティトゥは中国とベトナムが領有権を主張している。

中国は繰り返し、パトロールはこの地域の緊張を高めると述べ、フィリピンがこの地域の緊張をあおるために外国の「勢力」を参加させていると非難した。

「(フィリピンは)パトロールのために地域外の軍隊を参加させ...(トラブルを)あおり、誇大広告を行い、地域の平和と安定を損なっている」と中国軍報道官は先週述べた。

11月30日、中国国防部報道官の呉謙上級大佐は、緊張の高まりの背後には米国がいると中国は考えていると繰り返した。「アメリカはフィリピン側を扇動し、中国の主権を侵害するように仕向けた。中国側はこれに断固反対する」と呉報道官は記者会見で述べた。

フィリピンのジルベルト・テオドロ国防長官は、オースティン・ロイド米国防相との会談を終えたばかりだが、「問題をあおっているのは中国だ」と反論した。
今年初め、フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、政権が米国に接近しているが、自国は中国に屈しないと述べた。マルコスはハワイでアメリカ政府高官と会談した後、「フィリピンはわが国の領土をいかなる外国勢力にも1平方インチたりとも渡さない」と警告した。

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