ペンタゴン報告書「中国に追いつくのに苦労するアメリカの兵器産業」

新しい国防産業戦略の草案によると、アメリカ企業は世界の需要を満たすのに十分な速さで兵器を製造することができないという。

米国防総省のウィリアム・ラプランテは、国防総省は開発中の試作兵器を大量に購入する「本気度」を示す必要もあると述べた。| マヌエル・バルセ・セネタ/AP
Paul McLeary and Joe Gould
Politico
12/02/2023 07:54 PM EST

アメリカの国防産業は、中国などの競争相手とのハイテク軍拡競争に勝ち残るためのスピードと対応力に苦戦していると、国防総省の国防産業に関する新しい報告書の未公開草案が警告している。

国防総省のウイリアム・ラプランテが数週間以内に発表する予定の史上初の「国防産業戦略」は、国防総省が小規模なハイテク企業の専門知識を活用するために何が必要かを包括的に検討するもので、同時に伝統的な企業に資金を提供し支援することで、新技術の開発をより迅速に進めることを目的としている。

『ポリティコ』が入手した報告書の草稿によると、現状では、米国の防衛産業基盤は「スピードと規模において軍事生産のあらゆるニーズを満たすのに必要な能力、能力、対応力、回復力を有していない」という。

11月27日付の同文書は、「同様に重要なこととして、(防衛産業基盤の)伝統的な防衛請負業者は、主要な現代の紛争の動的な要件を満たすために必要な速度、規模、柔軟性で現代の紛争に対応することが課題となるだろう」と付け加えている。

アメリカは世界最高の兵器を製造しているが、それを十分に迅速に生産することはできない。

「このミスマッチは、米国がインド太平洋に迫りつつある、より大規模で技術的に進歩した脅威を抑止しつつ、活発な戦闘活動を支援する......という緊急課題に直面する中で、戦略的リスクを増大させている」と研究書は述べている。

レーガン国防フォーラムでラプランテは、この戦略は産業界との「パートナーシップ」として実行されると述べた。企業が生産能力を拡大するためには、国防総省が新しい工場や研究開発に投資するための将来の購買ニーズを明確にする必要がある。

「第一に、われわれ政府はコミットしていることを示さなければならない。建設に何を投入するのか、政府が何を投入するのかについて、一緒に話し合う必要がある。」

ラプランテは、国防総省はまた、開発中の試作兵器を大量に購入することに「真剣」であることを示さなければならない、と述べた。

「われわれは生産するつもりであり、それに堅持するつもりであることを示さなければならない。」

報告書草案を見た人の中には、明確な提言がないことに不満を抱いている人もいる。

ある防衛産業のアドバイザーは、防衛産業を悩ませてきたサプライチェーンの問題に対する長期的な解決策に焦点が当てられていないとして、この報告書を「期待外れ」と呼んだ。

報告書は、冷戦後、防衛産業は企業の合併によって縮小したと指摘している。しかし、中国は過去30年間で、造船、重要鉱物、マイクロエレクトロニクスの分野で「世界的な産業大国」となった。中国の産業は「米国だけでなく、欧州やアジアの主要同盟国の生産能力をも大きく上回っている」と報告書は言う。

報告書はまた、新型コロナの大流行がサプライチェーンの脆弱性を露呈させたと指摘している。その後、ロシアによるウクライナ侵攻とハマスによるイスラエル攻撃は、ウクライナとイスラエルを支援するために米国が武器生産に奔走する中で、「これまでとは異なる産業上の需要とそれに対応するリスクを明らかにした。」

「生産と供給能力の不足は、今や生産サプライチェーンの全層にわたって深く根付いた問題であることが明らかになった」と報告書は言う。

この問題を解決するために、国防総省は「より弾力的で革新的なサプライチェーンを開発し」、中小企業に投資し、技術革新にさらに注力するとしている。

「米国はまた、すべての答えが自国にあるわけではないことを認めなければならない。大企業、中小企業、国内企業、外国企業、そして国防総省や防衛生産とはまったく関係のない企業など、あらゆるタイプの参入者を募らなければならない。」

「国家は共通の防衛のために結集する必要がある。この『国防産業戦略』は、わが軍が潜在的な敵対勢力を抑止し、必要であれば実戦で打ち負かすための資材を確保するために必要な産業能力と能力を構築し、確保するための集中的かつ献身的な努力を官民両部門に呼びかけるものである。この行動への呼びかけは大きな代償に見えるかもしれないが、不作為や失敗がもたらす結果ははるかに大きい」と報告書は結んでいる。

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