「最後の一滴まで」-違法基地への攻撃の最中でもシリアの石油略奪を続けるアメリカ


Ilya Tsukanov
Sputnik International
18:22 GMT 22.11.2023

イラクとシリア北東部および南部の米軍は、ここ数週間、ガザでの戦争におけるワシントンのテルアビブへの熱烈な支持をめぐって、地元の民兵による激しいロケット弾やドローンによる攻撃を受けている。しかし、この混乱のさなかでも、国防総省はシリアでお気に入りの娯楽、つまりシリアの石油を盗む時間を見つけているようだ。

シリアの国境の町アルヤルビヤの情報筋が地元メディアに語ったところによると、石油を積んだ50台のトラックの車列が、ダマスカス政府の管理下にない違法なマフムディヤ国境を利用して、国境を越えてイラクに向かったという。

情報筋によると、車列はイラク北部の米軍基地に向かっているようだ。

エネルギーが豊富なシリア東部の油田とガス田を占領しているアメリカ軍は、それぞれ同国最大の石油とガスの貯蔵庫であるオマル油田とコノコ・ガス田を警備している部隊を含め、ガザ戦争による地域の緊張激化の中で、ここ数週間、繰り返し攻撃を受けている。

国防総省は火曜日、10月17日以来、米軍がシリアで34回、イラクで32回の計66回攻撃を受け、少なくとも62人が負傷したことを明らかにした。

イラクの民兵組織「イスラム抵抗組織」は、ミサイル、ドローン、ロケット砲による一連の攻撃の責任を主張しており、米国がパレスチナ・イスラエル危機でイスラエルを支援し続ける限り、ヒット・アンド・ラン攻撃を続けると宣言している。

10月26日には国防総省が「IRGCの拠点」と主張する場所を空爆し、11月8日と12日にも空爆を行った。火曜日、米政府高官はまた、米軍の戦闘機がイラク国内でも「イランに支援された武装勢力」に対して2回の空爆を行ったことを明らかにし、バグダッドはこの攻撃を「イラクの主権に対する容認できない侵害」だと非難した。

米軍は2011年にイラクから撤退したが、2003年の米軍侵攻後にイラクに生じた権力の空白が大きな原因となって生まれたジハード主義の反乱軍、ダーイシュ(ISIS)の台頭により、2014年にイラクに復帰した。イラク議会が米軍の完全撤退を要求しているにもかかわらず、ワシントンは2021年にイラクにおける軍事プレゼンスを「戦闘任務」から「助言と支援」に分類し直した。

シリアに駐留しているアメリカ軍は、不法な駐留を続けている正当な理由がなくなっている。シリアは国際的に承認された国家であり、アメリカ軍はシリアに招かれたことはない。

バイデン政権は、シリアを事実上支配している現地のクルド人勢力と連携して、シリアにある十数か所の基地を維持・拡張してきた。シリアとその同盟国はアメリカの主張を否定し、ワシントンがダーイシュを創設し、支援していると非難した。

シリア外務省は9月、国連事務総長と安全保障理事会議長にアメリカの侵略の停止を求める書簡を送り、シリアに対するCIAの代理戦争と北東部領土の占領が、3億4100万バレルの原油の略奪、浪費、焼却、約6000万立方メートルの天然ガスの浪費と窃盗など、エネルギーからの収入損失でダマスカスに1150億ドル以上の損害を与えたと計算した。

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