「異なる言語2.0」-EUとロシアの言説における地政学と主権(抄訳)


Tatiana A. Romanova
Russia in Global Affairs
01.01.2024

1990年代初頭以来、EU(旧EEC)は自らを規範的行為者として位置づけ、世界の舞台における新自由主義的アジェンダの優位性を確保してきた。このような状況を受け入れたパートナーもいれば、ロシアのように、EUの覇権に挑戦するために、さまざまなカテゴリーについて代替的な解釈を進めるパートナーもいた。モスクワとブリュッセルは同じ言語での対話を確立することができなかった。近年、EUは「主権」と「地政学的」というカテゴリーをその言説に組み込んでいる。本稿の目的は、同じ用語の使用が、モスクワとブリュッセルが「共通言語」を見つけようとしていることを意味するのかどうかを明らかにすることである。理論的には、この論文は批判的地政学に基づいており、その方法論として言説分析を意味している。これは、主権と地政学の解釈に共通する要素を開示するのに役立つと同時に、EUとロシアの言説においてこれらのカテゴリーが統合される方法における根本的な違いを明らかにする。解釈の多様性は、ロシアとEUの言説における「正しい」主権と「否定的な」主権主義、「良い」地政学と「悪い」地政学の概念に帰結する。EUがリアリズムの言語に適応したことで、モスクワとブリュッセルのコミュニケーションはさらに複雑になっている。

In Different Languages 2.0.
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