ガザ。イエメン。痛みの震源地。中東の感情、神話、記憶


Vitaly Naumkin , Vasily Kuznetsov
Valdai Club
8 February 2024

「中東とポリセントリックな世界の未来」(2023年2月)と題する弊誌の論文発表後の1年間、地域のプレーヤー、地域以外のアクター、そして世界中の多くの人々の運命に大きな影響を与える多くの動きが展開された。

これらの動きの多くは、1、2年前に見られた前向きな傾向を引き継いでいるように見えた。サウジアラビアとイランの関係は公式に正常化した。シリアのアラブ連盟加盟が復活した。エジプト、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアがBRICSに加盟した。イエメンでは緊張緩和が続き、2023年4月と9月にはサヌアとリヤド間で公式訪問が行われた。海上封鎖と航空封鎖は緩和され、イエメンの港湾での商業活動はペースを取り戻し、サヌアとの航空便は部分的に回復した。

しかし、年末になると状況は一変した。長年の懸案であったイスラエルとパレスチナの紛争が地域的、世界的な議題として再び浮上し、数日のうちにすべての地域紛争の焦点となったのである。アナリストたちにとって、この事実は驚きではなかったはずだ。とはいえ、近年、この矛盾の結び目が中東地域紛争の目録の中心的位置を占めていると主張したのは、本稿の執筆者を含む一部のアナリストだけであった。