ポール・クレイグ・ロバーツ「真夜中までナノ秒」

ポール・クレイグ・ロバーツ「真夜中までナノ秒」
2023年2月9日

知性あふれるロシア専門家のギルバート・ドクトロウが、「真夜中まであとナノ秒」を解説している。 これは極めて重要な警告であり、私自身の警告と同様に、危険なため無視される可能性が高い。 西側資本や印刷・テレビメディアでは、ロシアの極めて無謀で危険な継続的挑発行為の結果について、いかなる認識も与えられていない。 アメリカの新保守主義者の対ロシア攻撃は、人類史上最も非常識な愚行である。 クレムリンは、挑発を受け入れ、アメリカとNATOの関与による紛争の拡大を防ぐために、速やかに勝利すべき紛争を長引かせることで、挑発を助長している。 事態はまさに私の予測通りに展開し、今やドクトロウは、我々は限界点に達していると言う。

哀れな西側諸国民は、あまりに無関心で、あまりに無自覚で、あまりに指導者に裏切られた。 彼らは何が自分たちに降りかかってくるかわからないのである。

ポール・クレイグ・ロバーツ

ギルバート・ドクトロウ「来るべき存亡の危機」

https://gilbertdoctorow.com/2023/02/08/the-coming-existential-threat-do-we-act-in-common-or-is-it-going-to-be-every-man-for-himself/

赤道以南のエキゾチックで暖かい土地での1ヶ月の旅を終えて、日曜日にブリュッセルに戻ってきた。ベルギー到着時の再入国ショックは、外気温が27度下がったことよりもずっと大きかった。 この一ヶ月、衛星の問題やホテルのサービスの問題で、ロシアのニュースはごく限られた範囲でしか受信できなかったが、昨夜、ロシア国営テレビのニュース&トーク番組「Sixty Minutes」(www.smotrim.ru)をつけたら、終末に近いアメリカとの関係の現況が丸見えだった。

その要点、すなわち、アメリカのテレビで毎日放映されているようなロシアの分割と破壊の計画から生まれた、核兵器の先制使用に関するロシアのドクトリンの間もなく発表される変更と、より正確な新しいレッドラインについて紹介させてほしい。

いつものように、州議会議員で「Sixty Minutes」の司会者であるエフゲニー・ポポフが、西側テレビの映像セグメントをたくさん画面に出した。その中には、2014年から2017年までヨーロッパにおける全米軍を指揮していたベン・ホッジス中将が、ロシアのクリミアやさらにロシアの中心部まで攻撃するために、ウクライナ人に長距離精密ミサイルを持たせなければならないという長い声明が含まれている。この宣言がなされたインタビューはまだGoogle検索では出てこないが、2022年に掲載されたインタビューから、ホッジスが狂人ではないことは明らかであり、彼の発言はポポフの言うように、最大限の真剣さをもって受け止められなければならない。

現在、米国で議論されている過激なエスカレーションの背景には、もちろん、特別軍事作戦の記念日が近づくにつれて、まもなく始まるロシアの大規模な攻勢への期待がある。ウクライナ軍の敗北が目前に迫っているため、ワシントンでは意識が集中している。

そして、「Sixty Minutes」のレギュラー・パネリストの一人がカメラに向かって、「米国で放映されているこうした攻撃的な計画に照らして、ロシアの核ドクトリンは改訂中で、米国と同じように『予防的』戦術核攻撃政策に向かっている」と言った。 さらに、ウクライナがクリミアやロシア本土を標的にすれば、ロシアは現在策定されている計画に従って対応することになる。この計画は、極超音速ミサイルを使ったヨーロッパとアメリカ大陸の米軍施設に対する反撃を予見している。 パネリストは、ヨーロッパとアメリカへの反撃の脅威を公にし、明確にすることで、クレムリンから何を期待されているのか、誰も疑わなくなることを求めている。

それで、ロシアは代理戦争という虚構をはぎ取り、アメリカとNATOの同盟国との共闘状態を明らかにし、NATOとのキネティック戦争に備えようとしている。口数の少ない我が国の輝かしい前大統領が言うように、「よくない!」。

読者の皆さんには、私が娘と共有した苦い薬、「脱出ハッチを探せ!」をお伝えすることもお許しいただきたい。

私が切に願っているように、NATOとロシアの間で起こる武力衝突に関する衝撃的なニュースから、アメリカやヨーロッパで反戦運動が起こるか、そうでなければ、各自が自分のために戦うことになるだろう。

1937年当時、ベルリンにいたユダヤ人の中には、嵐を乗り切り、そのまま留まることに決めた人たちがいた。 最初の船で英国、米国、南米に渡った者もいた。 北半球に住む私たちは、今、同じ選択を迫られているのかもしれない。

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www.paulcraigroberts.org

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昨日から、面白いと思ったコラムを載せていますが、マイケル・ハドソン著「文明の命運」の翻訳は毎日続けていきます。