マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.33

世界が必要としているのは、ドル化からの金融的自立

ベトナム戦争は、アメリカも他の民主主義国家も、限定的な通常戦争以上の外国為替コストを再び支払う余裕がないことを示したが、周辺諸国は依然としてアメリカの軍事的イニシアティブによって維持されている。平和を促進する最善の方法は、各国政府が、世界経済に過剰なドルを溢れさせる帝国冷戦の負債国の軍事支出への資金提供を拒否することである。

もし、アメリカがそのフリーライドで生産資本に投資し、生産手段を整え、生活水準の向上や環境の不均衡を改善することで利益を得ていれば、ワシントン・コンセンサスはそれほど問題にはならなかっただろう。それどころか、外国の中央銀行が貯蓄しているドルは、帝国的な軍事・金融の上部構造に資金を供給し、顧客国に自給自足ではなく、依存を課している。これこそが、国際システムを寄生的なものにしているのである。マルクス、レーニン、ローザ・ルクセンブルグが当時、ヨーロッパの植民地主義国の帝国主義を想像していたような発展の原動力とはほど遠く、アメリカは、工業国であるドル圏の同盟国の財源を枯渇させる一方で、負債を抱える第三世界の原材料輸出国、東アジアの「タイガー経済圏」、旧ソ連圏の発展を遅らせている。この搾取の成果は、新たな資本形成に投資されることなく、軍事・民生消費と金融・不動産バブルに散逸している。

このような歪みに抵抗する中国は、ライバル、すなわち敵として、関税や割当など国際法上厳密に違法な政策の対象となり、米国の経済制裁の対象となった。過去数世代にわたる中国の目覚ましい経済的成功は、歓迎されるどころか、米国の外交官たちによって反対され、他国を動員して米国一極集中の世界外交を支持しようとしている。中国の成功は、アメリカの成功とは逆のモデルであるが、19世紀後半から第一次世界大戦直前にかけてのアメリカの産業勃興とよく似ている。

ヨーロッパの帝国主義は、少なくとも周辺地域を発展させるものであった。しかし、今日のワシントン・コンセンサスの傾向は、世界の発展を遅らせ、ほとんどすべての第三世界の国々にドル建ての対外債務を負わせる一方、すべての地域の支払い不均衡を解決するための媒体としてアメリカ自身のドル債務を要求することである。その結果、地域経済が自らの主権を主張できるようになるまで、このシステムを疲弊させることになる。