銀河系のブラックホールは「休眠状態ではない」

射手座A*のブラックホールは19世紀末に目覚めたことが新たな研究で判明

RT
2023年6月25日

我々の天の川銀河の中心に位置し、以前は休眠状態と考えられていた超大質量ブラックホール、射手座A*が、1800年代末に一時的に息を吹き返したという研究結果が『ネイチャー』誌に発表された。

このブラックホールは太陽の約400万倍の質量を持ち、地球から約27,000光年の距離にある。研究者によれば、この天体は約1年かけて様々な宇宙物体を飲み込んだ後、再び休眠状態に戻ったという。

この研究の著者であるフレデリック・マリン(Frederic Marin)氏は、土曜日にAFP通信を通じて次のように語った。

この19世紀後半の活動期には、ブラックホールは「少なくとも現在の100万倍は明るかった」とマリン氏は付け加えた。何世紀も前の活動が科学者たちによって観測され、近くの銀河の分子雲がX線光を放ち始めたことに注目した。まるで「森の中に隠れていた一匹の光虫が突然太陽のように明るくなった」かのようだと、フランスの研究者CNRSは述べている。

天文学者たちは、NASAの撮像X線偏光計(IXPE)を使ってこのX線光を追跡し、その手がかりが射手座A*を直接指していることを発見した。

しかし、科学者たちはこの研究結果に魅了されているが、ブラックホールが再び出現した理由は謎のままである。有力な仮説のひとつは、星かガスの雲が近づきすぎて、いて座A*を休眠状態から目覚めさせたのではないかというものだ。研究者たちは、この研究が、ブラックホールが休眠状態から活動状態に戻るきっかけとなるものについて、重要な洞察を与えてくれることを期待している。

昨年、天文学者たちは、このブラックホール、より具体的には、ブラックホールを取り囲み、その存在を確認するガスの輝くリングを撮影した初めての画像をオンラインで公開した。

ブラックホールとは、光さえも出てこないほど強い重力を持つ時空の領域である。ブラックホールは、非常に巨大な星の中心が、その寿命が尽きたときに自壊して形成される。

www.rt.com