キリル・ババエフ「プーチン大統領の今週の北京訪問が重要な理由」

わずか7カ月で2度目となる露中首脳会談は、新たな秩序を構築する上で極めて重要な意味を持つかもしれない。

キリル・ババエフ博士:ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所所長、金融大学教授、BRICS研究全国委員会議長代理
RT
17 Oct, 2023

ウラジーミル・プーチンの今週の北京訪問は、今年2回目の露中首脳会談となる。今回は、3月に習近平がモスクワを訪問した際の合意を受けて、大統領が友人であり戦略的パートナーを訪問する。その際、中国の指導者は、10周年を迎える一帯一路構想(BRI)の第3回フォーラムにプーチンを招待した。

このプロジェクトは暗礁に乗り上げたという見方が(主に西側諸国から)時折聞かれる中、ロシアの指導者の出席は特に注目に値する。習近平が2013年に打ち出したこの計画は、中国製品をユーラシア大陸横断ルートと北方海路でヨーロッパ市場につなげるというものだが、確かにジレンマに直面している。

ロシアとベラルーシの国境に新たな「鉄のカーテン」を築くことで、西ヨーロッパは自ら罠にはまり、1970年代以降の経済の主要な原動力であった低コストのエネルギー源を奪ってしまった。同時に、西ヨーロッパ諸国は、ロシアが「一帯一路」プロジェクトの重要なリンクであったため、安価な中国製品を陸路で輸入する可能性も閉ざそうとしている。

一方、中国へのハイテク製品の供給に対する制裁や、自国市場への中国からの投資の拒否も、北方海路に沿った中欧貿易を危うくしている。このような状況下で、BRIは新たな成長点を模索している。そのひとつが、急成長するロシアと中国の貿易であり、モスクワ主導のユーラシア経済連合(EAEU)との連携であろう。

ロシアにとって、EAEUと「一帯一路」のペアは、輸出入でほぼ完結している「東方への軸足」の文脈で重要な意味を持つだろう。中国は、EAEUとの貿易が、量は少ないとはいえ、西側諸国との交流よりもはるかに信頼できると理解している。

昨年ほぼ2,000億ドルに達した両国間の貿易は、中期的には3,000~3,500億ドルを超える可能性がある。現在の輸送インフラは、増大する物資の流れに対応するのに苦労しており、新たな解決策が必要とされている。ロシアと中国の首脳は、北京サミットでこれについて話し合う予定だ。これには、共通の国境を越え、中央アジア諸国を通る新しい鉄道路線やパイプラインが含まれる可能性がある。パワー・オブ・シベリアの容量が満杯であることを考えると、プーチンの今回の訪問は、パワー・オブ・シベリア2の建設に関する最終合意につながると多くの人が予想している。

また、金融インフラの構築についても話し合われるだろう。両国は、2~3年以内に現代の不換紙幣に取って代わる可能性のあるデジタル通貨を積極的に開発している。これにより、国境を越えた決済が大幅に自動化されると同時に、コルレス決済の必要性がなくなるため、制裁リスクを排除することができる。

同時に、ロシアの大手銀行が中国の金融システムに参入する必要性を北京に納得させることが極めて重要である: スベルバンク、アルファ銀行、ガスプロムバンクはすでに支店開設の意向を表明しており、規制当局の承認は、中国の銀行が長い間ロシアで実りある仕事をしてきたように、両国間の協力関係のバランスをとるのに役立つだろう。

もちろん、ロシアと中国の首脳が、二国間協調の枠内でも、国際機関の活動の文脈でも、政治問題について話し合うことも不可欠である。BRICSの拡大は、新たな機会と課題の両方をもたらす。上海協力機構の活動には、長年の懸案であった改善と新たなレベルの交流への移行が必要である。プーチンと習近平は、最近行われた中国と中央アジア諸国との首脳会談の意味についても話し合うかもしれない。

いずれにせよ、今こそ両国の政策を一致させ、協力の新たな展望を描く時である。プーチンと習近平が会談するたびに、経済、科学、技術、人道的関係の発展に弾みがつく。2024年が両国間の外交関係樹立75周年の年であることを考えれば、これは特に強いものになるはずだ。

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