NATOの「軍事シェンゲン」計画にクレムリンが反発

ドミトリー・ペスコフ報道官は、この動きはアメリカ主導の同盟とロシアとの対立をさらにエスカレートさせるものだと述べた。

RT
24 Nov, 2023 11:01

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、「軍事シェンゲン」創設の可能性に関するNATOの発言は、欧州の緊張を高め、すでに緊張状態にあるロシアとの関係をエスカレートさせる可能性が高いと述べた。

ペスコフ報道官の発言は、NATOの欧州後方支援責任者であるアレクサンダー・ソルフランク中将が、ロシアとの戦争が発生した場合に兵力、装備、弾薬の迅速な移動を可能にするため、欧州各国に対し、国家レベルの規制を緩和するよう求めたことを受けたものだ。

金曜日の記者会見で、ペスコフ報道官は、NATO高官のこのような提案を、クレムリンはロシアとヨーロッパの武力衝突のリスクと見ているのか、それとも、アメリカ主導の同盟のロシアとの対立における単なるエスカレートした一歩と見ているのか、と質問された。

クレムリンのスポークスマンは、ソルフランクの発言はNATOがロシアとの対立をエスカレートさせていることを示すものである可能性が高いと示唆し、同盟は「わが国を常に条件付きの敵とみなしてきた。今、NATOはわが国を明白な敵とみなしている」と付け加えた。

「これはヨーロッパの緊張をエスカレートさせようとする試み以外の何ものでもない」と述べ、ペスコフは、NATOの拡大はロシア側からの反応なしに放置することはできないと指摘した。

ペスコフ氏の発言は、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が昨年、東欧におけるNATO軍を30万人の即応予備兵力まで増強する計画を発表し、このうち10万人の兵士がロシアとの戦場に最短で1週間以内に到着できるようにすることを明らかにした後のことだ。

この米国主導の同盟はまた、ウクライナが最終的に同盟に加わることを望んでいることを繰り返し示唆している。

一方モスクワは、中立で独立したウクライナしか受け入れないと強調し、NATOのヨーロッパにおける拡大はロシアの国家安全保障に対する脅威であり、ウクライナ紛争の主な原因であると述べている。

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