「クリミア橋襲撃の記録流出で『NATO内の溝』深まる可能性」-ウォール・ストリート・ジャーナル紙

西側諸国が否定しているウクライナへの外国軍隊の駐留について、ドイツ当局者が語ったと報じられている。

RT
3 Mar, 2024 08:29

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が土曜日に報じたところによると、ウクライナがクリミア橋を攻撃するために長距離ミサイルを使用するのを支援するというドイツ軍の計画の概要を記した録音が流出し、ベルリンとNATO同盟国との間に亀裂が生じる可能性があるという。

金曜日に、RTの編集長マルガリータ・シモニャンは、ドイツ空軍の高官数人の会話とされるロシア語の原稿を公開した。そこでは、ドイツが現在ウクライナに送るかどうか議論している長距離ミサイル「タウルス」の運用や標的の詳細について、すでに納入が合意されているかのように議論していた。

関係者はまた、ウクライナが戦略的に重要なクリミア橋を攻撃するためにこの兵器を使用した場合に、もっともらしい否認可能性を維持する方法についても話した。ドイツ国防省は、この会話が実際に傍受されていたことを確認し、現在調査が進められている。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙はドイツ政府関係者の話を引用して、この会話は本物だと報じた。さらに、会議は暗号化されていないオンライン・プラットフォーム「WebEx」で行われ、ある担当者はシンガポールのホテルの一室から電話をかけていたと報じている。記事によると、ドイツ政府関係者は機密性の高い会話にしばしばWebExを利用しており、ある『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の情報筋は、今回の流出はベルリンにとって「警鐘」となるはずだと述べている。

タウルス・ミサイルの使用とは別に、ドイツ政府関係者は、キエフが西側から供与された兵器を運用するのを助けるためにウクライナに配置された外国軍人の存在についても言及したとされる。ロシア当局は、ウクライナにおける西側軍人の存在は「秘密ではない」と述べている。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、この録音を「クレムリンのプロパガンダの勝利」と評し、ドイツとNATO同盟国との関係を緊張させる可能性があると指摘した。また、最終的にウクライナにタウルス・ミサイルが納入される可能性も低くなる、と同紙は付け加えた。

ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』は日曜日に情報筋の話として、ドイツのオラフ・ショルツ首相はキエフへのタウルス・ミサイルの派遣に反対しており、紛争をさらにエスカレートさせる可能性があると警告していると報じた。

流出した録音はロシアで騒動となった。ロシアは、欧米のウクライナへの武器供与は紛争を長引かせ、NATO諸国を敵対行為の直接の参加者にするだけだと非難している。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、流出した録音についてベルリンに説明を求めた。ロシアのメドベージェフ前大統領は、ドイツは「再び我々の宿敵となった」と述べた。

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