クリストファー・ブラック「新しい世界が幕を開けた」


Christopher Black
New Eastern Outlook
22 January 2024

1月16日、米国のバイデン大統領は、ウクライナと台湾への軍事支援について話し合うため、米国議会の指導者を招いて会談を行った。2023年7月29日、米国は台湾に3億4500万ドルの軍事援助を行うと発表した。その使途は、「中国に対する台湾の自衛を維持する」ために、ミサイル、マンパッド防空システム、情報・監視機器など、すでに米国が備蓄している武器・弾薬の充当である。

1月16日の会議でバイデンは、ウクライナ、台湾、イスラエルにさらに1000億ドル相当の軍事援助を提供する道筋を見つけようとしたが、そのかなりの部分は台湾に向けられることになる。言い換えれば、この会議は、ウクライナのNATO軍の敗北に直面してロシアに対するNATOの戦争を継続させ、不法占拠しているパレスチナの土地の支配権を維持しようとするイスラエルの敗北を防ぎ、台湾をめぐる中国との戦争の脅威を高めるために開かれた。

外国が自国の領土で反乱を起こした地方政府に軍事援助を提供するのを見た国は、それを戦争行為とみなし、容認できないだろう。しかしアメリカは、中国がこの敵対的行為を何事もなかったかのように飲み込み、さらなる援助を準備することを期待している。

バイデン大統領はまた、台湾に対する実質的な権限と管轄権を持つ中国中央政府の反対にもかかわらず、合意なしに、また近い将来、「非公式」だが高官の代表団を台湾に派遣する意向を表明している。このような訪問は、過去にも何度かあったが、中国への侮辱に侮辱を重ねるものであり、アメリカ指導部の植民地的な考え方を露呈するものだ。

さらにバイデンは、台湾で最近行われた選挙で、与党の民進党が51議席を獲得し、国民党の52議席と新党の人民進歩党の8議席に比べ、立法院での過半数を失ったことに反応し、台湾政府がしばしば主張するように、台湾は独立した国家でも共和国でもないというアメリカの立場を改めて表明した。

これは、11月にサンフランシスコでバイデンと会談した中国の習主席に、平和のシグナルを送ろうとしたものだとアメリカの報道機関は述べている。しかし、それが常に米国の立場であったため、そのようなことはなかった。台湾の新総統、いわゆる民進党の頼総統は、「中国からの台湾独立」のレトリックを繰り返し、この中国の省の「総統」の座を勝ち取ったことで、バイデンをはじめとするアメリカの同盟国からの祝辞を受け入れた。

この立場の違いは、この地域におけるアメリカの目的が、独立した台湾共和国の存在を保証することだと人々が考えている場合にのみ混乱する。そうではない。つまり、1949年に蒋介石政権が毛沢東率いる共産党に敗れた後、台湾に亡命し、長年にわたって中国の正当な政府であると主張してきた蒋介石政権を復活させることである。 にもかかわらず、アメリカ政府は、台湾が中国の一地方であることに同意しながらも、台湾のいわゆる「独立」派を支援し続け、台湾の軍隊を武装させ、中国が台湾に対する主権を行使すれば戦争になると脅し続けている。

アメリカ、イギリス、そしてその同盟国(ここには日本も含まなければならない)は、中国を支配しようとする帝国主義的・植民地主義的野心を捨て去ることはなく、アメリカの約束に甘んじたり、アメリカの怒りを避けようとしたりする地域の弱小国と軍事同盟を結ぼうと躍起になっている。フィリピンは、政権交代後に中国から離れ、アメリカへと傾いた国のひとつだ。アメリカは、自分たちが荒廃させたベトナムを取り込もうとさえしている。しかし、彼らがベトナムを利用しようとしたという事実は、彼らの耐え難い傲慢さとベトナムや中国の人々に対する侮蔑を浮き彫りにしている。

先週のダボス会議では、中国が世界平和と調和、そして協力的な発展を呼びかけ、アメリカの存在を覆い隠すほどの大代表団を送ったことにアメリカ人は憤慨した。アンソニー・ブリンケンの対応は、面目を保つためにスイスの高官と会談させようとするものだった。アメリカは、アメリカの支配、戦争、さらなる戦争、国際貿易の継続的な混乱以外に、ダボスの企業や政府のリーダーたちに提供するものがなかったからだ。

ガザやパレスチナの抵抗勢力を支援するために紅海を出入りする海峡を部分的に封鎖している。 米英はフーシ派を攻撃し、紅海は戦場と化し、フーシ派のさらなる攻撃によって海運は以前にも増して混乱した。他方、中国はイスラエル・パレスチナ紛争の和平を達成するための国際和平会議の開催を呼びかけ、中国の輸出入に間接的に影響を及ぼすことから封鎖に反対しているものの、中国は封鎖の理由を理解しているとの認識を示した。アメリカの対応は戦争であり、中国の対応は、この地域がより大きな戦争に陥る前の交渉と平和である。

中国は、台湾と本土の統一を支持する台湾の人々との協力を続けているが、分離独立派や「独立」派に対しても、これ以上この道を進めば、問題の平和的解決の可能性がなくなってしまうと警告している。 中国は忍耐強い。しかし、忍耐には限界がある。プロパガンダで歴史を書き換えることに慣れている米国とその同盟国は、歴史を逆戻りさせ、世界を植民地主義の暗黒の時代に戻すこともできると信じている。そんなことはできない。その時代は終わったのだ。新しい世界が幕を開けたのだ。西欧支配の旧世界は終わったのだ。

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