数百機のボーイング777型機に「空中爆発の危険」-米連邦航空局(FAA)

苦境に立たされた同社は、この警告を日常的な規制当局の通達として却下した。

RT
23 May, 2024 21:14

米連邦航空局(FAA)は今年初め、ボーイング社の777型機の欠陥に対処しなければ「火災や爆発」を引き起こす可能性があると警告する指令を出した。同機の運航会社がこの問題に対処したかどうかは不明である。

この指令は3月に出され、FAAは今月初めまでコメントを募集していた。ボーイング機による安全事故が相次ぐ中、『デイリー・メール』紙が2日、一般公開されたこの文書について報じた。

FAAによると、777型機の主翼にある燃料タンクの通気口に取り付けられた金属板は、電気的な結合がないまま取り付けられていたため、静電気が蓄積し、ジェット機の燃料タンク内で「火災や爆発」を引き起こす可能性があったという。

米国で登録されている292機の777型機が危険にさらされる可能性があると、同指令は警告している。ベースモデルの777-200から長距離機の777-300ERまで、777の全機種が影響を受ける。

ボーイング社はデイリー・メール紙の報道を否定し、今回の指令案は「航空旅行が最も安全な交通手段であることを保証するための標準的な規制プロセス」の一部であると主張した。

「これは直ちに飛行の安全性に関わる問題ではない。最新の民間航空機には、電磁波の影響を確実に防ぐための複数の冗長性が設計されている。777型機は30年近く運航され、39億人以上の旅客を安全に乗せてきた」と同社は声明を出している。

777は世界で最も多く製造されたワイドボディ旅客機であり、1995年以来、世界中の運航会社に1,800機近く納入されている。この旅客機は31件の事故や事件に巻き込まれており、約1,300機が製造された中で67件の事故に巻き込まれた、より小型の前身である767型機よりも比較的良好な安全記録となっている。

ボーイングの安全性に対する全体的なアプローチは、近年精査の対象となっている。2018年と2019年に2件の致命的な墜落事故が発生し、同社の短距離路線用737 MAX型機の全機が墜落し、今年は1月にアラスカ航空が運航する737 MAX 9型機でドアパネルが空中で吹き飛んだのを皮切りに、複数の事故が発生した。米司法省は、同社がパイロットに知らせていなかったピッチ制御システムの誤作動が原因で350人近くが死亡した2018年と2019年の墜落事故をめぐり、ボーイング社を起訴することを検討中だ。

www.rt.com