イギリス「月面原子炉に資金提供」

ロールス・ロイスは、2029年までに月へ行くための作業施設を用意することを目指す

RT
2018年3月18日

イギリス政府は、アメリカが主導する月面着陸計画の一環として、月面基地に電力を供給する原子炉の開発をロールス・ロイスに委託している。しかし、このプロジェクトはこれまで、遅延とコスト超過に悩まされてきた。

イギリス宇宙庁は金曜日に、プロトタイプを作るためにロールス・ロイス社に290万ポンド(350万ドル)を授与したと発表した。ドイツのBMWが所有するこのイギリスのエンジニアリング会社は、2029年までに実用的な原子炉を準備する予定である。

科学技術省のジョージ・フリーマン大臣は声明で、「50年以上ぶりに人類が月へ帰還する準備を進める中で、我々はロールス・ロイス社と共同で、月面基地の新しい動力源を開拓するために、この月面モジュール炉のような刺激的な研究を支援しています」と述べた。

イギリスはこれまで有人宇宙飛行を行ったことがなく、月面を歩いたイギリス人もいない。7人のイギリス人宇宙飛行士が宇宙へ旅立ったが、月面に降り立った12人はすべてアメリカ人男性である。

NASAは「アルテミス計画」のもと、2025年に人類を月面に帰還させる計画だが、すでに予定より5年遅れ、予算も数十億ドル超過している。現在のところ、月面基地の第一段階は2032年に計画されている。イギリスはこのミッションをサポートする役割を担い、イギリス企業はアルテミス計画のために通信、航法、燃料補給の技術を開発する予定である。

地球に戻ると、先月、イギリスで30年ぶりの新しい原子炉がヒンクリーポイントC原子力発電所に搬入された。2017年から建設中のこの原発は、予想より50%もコストがかかり、現在のところ予定より2年遅れて2027年にオープンする予定だ。

イギリスにある8基の原子力発電所のうち、1基を除くすべてが2028年までに閉鎖される予定であるが、ジェレミー・ハント大蔵大臣は今週、イギリス独自の環境ルールを回避して新たな原子炉を建設するために、政府は原子力を「持続可能」と分類すると述べた。その中には、ロールス・ロイス社が月面用に製造しているような「小型モジュール式原子炉」も含まれるという。

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