IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、EUがロシアのロスアトムを制裁することに疑問を呈した。
RT
19 Feb, 2024 21:55
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は月曜日、EUはロシアのウラン供給に依存しており、制裁は非現実的であると述べた。
イランの核濃縮プログラムについてEU外相にブリーフィングを行うためブリュッセルに滞在していたグロッシは、ロイターの独占インタビューに応じ、ロシアに対する核制裁の可能性について言及した。
「西側諸国の多くの企業は、濃縮ウランや燃料をロシアからの供給に依存している。ロスアトムへの制裁は現実的ではないし、非現実的だというのがコンセンサスだ。多くの国々で原子力産業が立ち行かなくなるだろう」とグロッシ氏は述べた。
EU加盟国の中には、ウクライナ紛争をめぐって発動されたEUの禁輸措置を、モスクワが販売する核燃料にまで拡大することを提案している国もある。ロシアの国営原子力大手ロスアトムは、世界のウラン濃縮インフラの50%近くを所有し、2022年には世界の輸出量の36%近くを占めた。
ロスアトムは現在、トルコやEU加盟国のハンガリーからエジプト、中国、インドに至るまで、世界中で20基以上の原子炉を建設している。
昨年11月、アメリカ政府は、アメリカの発電所で使用される核燃料の20%近くがロシア産であるという「重大な懸念」を指摘した。キャサリン・ハフ・エネルギー次官補は、国家安全保障の問題として、また気候変動への対応として、アメリカがロシアへの「依存」を終わらせることは「極めて重要」だと主張した。2028年からロシア産ウランの輸入を禁止するというアメリカの計画も噂されている。
ロシアの核燃料への「依存度を下げ」ようとすれば、EUは何十億もの費用がかかり、その可能性は低いとグロッシ氏はロイターに語った。グロッシ氏はまた、濃縮ウランに対する世界的な需要は実際に増加していると指摘した。
「率直に言って、ロシアのウラン濃縮能力は減少するどころか、むしろ増加すると見ている」とロイターに語った。
グロッシ氏は間もなくモスクワを訪れ、ロシアのプーチン大統領と会談した後、イランの核開発計画についてイラン政府と協議するためにテヘランに向かう予定である。