マイケル・ハドソン「文明の命運」p.248

国庫負担や直接補助は、地方が「コモンズを囲い込む」民営化業者にパブリックドメインを手放したり、アクセス料としてレントを徴収したりすることを避けることができる。このような中央政府の補助金によって、地方が苦境下で土地や税金のレントや売却をする必要がなくなる以外に、レンティア層が地方政府に対して力を持つのを防ぐもう一つの方法は、レントや地価差益を課税することである。

IV. ポスト・レンティア経済形成を避けるうえでの問題点

生産的なサービスを提供することで得たのではないレンティアの利得に課税するという政府の関心は、商業銀行の暗黙の事業計画、すなわち、土地や天然資源のレントや独占的なレントをすべて吸収するところまで貸し出し、利子を徴収するということと本質的に対立する。

これらのレントに対する税率が高ければ高いほど、銀行システムには負債市場を拡大する余裕がなくなる。銀行やその他の債権者の立場からすると、その目的は、信用条件を緩めることで融資市場を拡大し、債務/所得や債務/資産比率を高くすることである。その結果、債務のレバレッジが住宅やその他のレンティア資産の価格を膨張させる一方、それ以外の経済は、銀行や(ジャンク債などによる)債券保有者、その他の債権者に対する債務を深化させた状態に保持される。その結果、財政収入が減少し、経済が減速する一方で、レンティア層が潤うことになる。

このような債務の急増とそれに伴う資産価格のインフレを回避する最も明白な方法は、貨幣と信用の創造を公的領域である国庫か、少なくともその規制管理下に置くことである。第二の方法は、経済的なレントの金融化を制限することであり、そのレントの源泉に課税することである。徴税人が放棄したものは、銀行に支払うことができるようになり、課税されたものは、銀行融資の資本に組み入れることができるようになるのである。このような課税は、1920年代以降、経済的レントに対する課税が後退し、このレントが利子として銀行に担保提供されるようになったことを逆手に取るものである。