アメリカ「優位に立つために軍備管理協定を結んだり破ったりしてきた『実績』」


Fantine Garnier
Sputnik International
2 November 2023

ある専門家がスプートニクに語ったところによると、ワシントンが中国との軍備管理協議に応じるのは、核紛争勃発の可能性を緩和するためではなく、世界に理性的なイメージを植え付けるためであろうとのことである。

中国外相は、北京とワシントンの代表が来週、核軍備管理について話し合うために会談することを明らかにした。

この会談は、国防総省の報告書で中国の小規模な核兵器保有量がワシントンの専門家の予想を上回るペースで増加していることが指摘された数週間後に行われる。米国は中国の核兵器庫に関する正確な情報に欠けており、10月の報告書では、中国は約500個の核弾頭を保有し、2030年までに1000個になると予測している。しかし、『原子力科学者会報(Bulletin of the Atomic Scientists)』誌は3月、中国は410発の核弾頭を保有していると発表した。対照的に、アメリカは5000発以上の核兵器を保有している。

元米海兵隊員で、独立系の地政学研究者・作家であるブライアン・バーレティック氏は、スプートニクに対し、米国は、近年軍事的・政治的対立を強めている中国と融和を図ろうとしているように見せるために、今回の協議に合意した可能性が高いと語った。

「過去にアメリカは、他国との緊張を外交的に解決しているように見せかけながら、実際には、世界の平和と安定を脅かしていると敵対国を非難するために、他国との軍備管理協定を結んだり、破ったりしてきた。」

「米国がロシアやイランに対してこのようなことを繰り返しているのを我々は見てきた。アメリカは中国に対しても同じようなことをしようとしているようだ。中国が、中国の核能力に関する情報を得るために、アメリカがこのような取引をすることを許すとは思えない。」

彼は、「もしアメリカが中国の核戦力を抑制したり、逆に抑止したりすることが可能だと考えたら、特に軍備管理条約を装ってでも、やろうとするだろう」と指摘した。

「最悪のシナリオでは、アメリカは、中国に対して先制攻撃するための核兵器を過剰に保有する状況を作り出したいと考えている。」

「このような計算は普通の人には考えられないようだが、アメリカは冷戦の間、何十年もかけてこのような計画を立て、ロシアと中国を核兵器で包囲し続けている。」

ベレティックは、ワシントンが以前から望んでいると言ってきた、アメリカ、ロシア、中国の三国間条約という考え方を否定した。

「アメリカは、あらゆる種類の条約や協定、政策を結んでは破ってきた実績がある。NATOの拡大に関する約束を破り、ミンスク合意を台無しにしたことで、アメリカは今、ロシアに対して代理戦争を行っている。」

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