EUとメルコスール「来週の貿易協定締結を断念」- ポリティコ

アルゼンチンは、メルコスールを脱退すると脅しているハビエル・ミレイ次期大統領に貿易協定の決定を委ねる意向だという。

Hans von der Burchard
Politico
December 2, 2023

メルコスール(欧州連合)の自由貿易協定(FTA)締結に向けたEUの努力に、アルゼンチンが一石を投じた。

ブラジルはEUに対し、森林伐採を抑制する政策など未解決の問題についてアルゼンチンの次期政権の承認が必要となるため、来週にも貿易協定を締結することは不可能であると述べた。

EUは、12月7日にブラジルで開催される南米首脳会議に間に合わせるため、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンのメルコスール諸国と貿易協定を締結することを望んでいた。

しかし、アルゼンチンはメルコスールの現大統領であるブラジルに、交渉で新たな約束をすることはできないと通告し、11月のアルゼンチン大統領選挙で勝利した無政府資本主義のアウトサイダー、ハビエル・ミレイに決定を委ねる意向を示した。この頓挫を最初に報じたのはCNNブラジルである。

CNNブラジルの報道によると、アルゼンチンの決定により、メルコスール会議期間中にリオデジャネイロで予定されていた交渉はキャンセルされた。木曜日に予定されていた欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長のメルコスール訪問も中止されたという。

欧州委員会のバルディス・ドンブロフスキス通商担当副委員長率いるEU代表団は、12月7日に開催されるメルコスール首脳会議のためにリオデジャネイロを訪れることはない、と『ブエノスアイレス・タイムズ』紙は事情に詳しい関係者の話を引用して報じている。

ミレイ氏の勝利は、画期的な貿易協定に向けた協議がさらに難航することを懸念するEUの多くの人々を驚かせた。大統領選挙期間中、ミレイ氏はメルコスールを脱退すると脅していた。彼はメルコスールを「驚異的な失敗」と呼び、「貿易の歪みを生み、加盟国を苦しめる質の低い関税同盟」と評した。

一方、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、EUがメルコスール交渉で得た環境面での譲歩は、必要なものには程遠いと述べた。

ドバイで開催されたCOP28気候変動会議でブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と会談した後、マクロン大統領は土曜日に記者団に対し、「私は、フランスだけでなくヨーロッパのあらゆる国の農民や産業界に、脱炭素に向けた努力を求めることはできない。フランスを喜ばせるために、冒頭と末尾にいくつかの文章が付け加えられたが、これは機能していない」とマクロン大統領は語った。

同じくドバイでのCOP28会議に出席していたフォン・デア・ライエンは、EUとメルコスールの合意への希望を維持した。「EUとメルコスールは、政治・協力・貿易協定の最終的な締結に向け、緊密かつ建設的な協議を行っている。この数カ月で実質的な進展があった。交渉は建設的な精神で続けられ、可能な限り迅速な妥結を目指す」と欧州委員会は声明で述べた。

ブラジルのルーラ首相は月曜日、ドイツのオラフ・ショルツ首相とベルリンで会談し、二国間協議を行う予定である。ドイツはメルコスール協定の強力な推進者である。

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