「戦争勃発、暗殺未遂、米国のアイアンドーム」-トランプ演説の要点

共和党候補のトランプは、暗殺未遂事件後の結束を促す一方、ジョー・バイデンがアメリカに「想像を絶する」損害を与えたと非難した。

RT
19 Jul, 2024 08:41

ドナルド・トランプが、11月のアメリカ大統領選挙でホワイトハウスに立候補する共和党の指名を受諾した。アメリカ史上最長のテレビ演説となった受諾演説で、トランプ氏は「アメリカをもう一度偉大な国にする」ことを誓った。

ミルウォーキーで4日間にわたって開催された共和党全国大会(RNC)のクライマックスとなった90分間の演説で、トランプ氏は、外交・内政政策における失敗を認識したジョー・バイデン米大統領政権を攻撃する一方で、国民の団結を促した。

トランプは先に、「腐敗した」現米政府についてのみだった当初のスピーチを破棄し、自身の瀕死体験とその米国への影響に焦点を当てたと述べた。

私はここにいるはずではなかった。

トランプは、土曜日にペンシルベニア州バトラーで開かれた集会で暗殺未遂があり、男性1人が死亡、2人が負傷したことを詳細に振り返った。犯人は後に20歳のトーマス・マシュー・クルックスと判明し、現場で死亡した。「私は今夜ここにいるはずではなかった」とトランプは群衆に語りかけた。「全能の神の恩恵によってのみ、私はこのアリーナで皆さんの前に立っているのです」と彼は付け加え、銃弾がミリメートル単位で彼の頭を外れ、耳を貫いただけだったことに言及した。

団結への嘆願

トランプ大統領暗殺未遂事件が、アメリカにおける政治的偏向の最新の兆候となるなか、共和党議員は同胞であるアメリカ人に対し、この暴力事件を過去のものとするよう促した。「私たちは共に、あらゆる人種、宗教、肌の色、信条を持つ市民のために、安全、繁栄、自由の新時代を立ち上げるのです。私たちの社会における不和と分裂は癒されなければならない」と彼は強調した。

しかし、団結のメッセージは、トランプが民主党を批判するのを止めることはなかった。彼は、バイデンはアメリカ史上最悪の大統領10人の合計を上回る「考えられない」ダメージを国に与えたと主張した。

世界の平和を取り戻す

トランプは、具体的な計画は示さなかったものの、「現政権が作り出した国際的危機、特にウクライナ紛争とガザ紛争をひとつ残らず終わらせる」と誓った。もし自分が政権に就いていれば、この2つの危機は決して起こらなかったと主張し、バイデンの監視下で2021年にアフガニスタンから撤退したワシントンの混乱によって、ウクライナでのロシアの軍事作戦が強化されたことを示唆した。

彼はまた、最近のロシア軍艦のキューバ訪問についても言及した。「ロシアの軍艦と原子力潜水艦は、キューバの沖合60マイルで活動している。報道陣はそれについて書こうとしない。もし私がこの国を動かしていたら......毎日の見出しは『大統領はどうしたんだ』になっていただろう」と語った。

北朝鮮と「仲良く」

共和党議員は、北朝鮮の金正恩委員長と「とてもうまくやっている」と述べ、金正恩委員長が自分に「懐いている」と冗談半分に示唆した。「核兵器をたくさん持っている人とかと仲良くなるのはいいことだ。」トランプが2018年のシンガポールでの首脳会談で、米大統領として初めて北朝鮮の指導者と会談したことは有名だ。トランプは当時、韓国との「挑発的」と呼ぶ軍事演習の中止を約束したが、この会談では朝鮮半島の非核化について大きな進展は見られなかった。

米国のためのアイアンドーム

電話一本で戦争を終わらせることができると主張する一方で、トランプはアメリカ国内の安全保障を強化し続けることを誓った。われわれは軍備を増強し、ミサイル防衛システム『アイアンドーム』を構築して、敵がわれわれの祖国を攻撃できないようにする」と述べ、この兵器はすべて米国で生産されると付け加えた。

メキシコ国境での「大規模な侵略」

共和党候補はまた、長年選挙戦の目玉となってきた不法移民など、数々の国内問題にも触れた。「メキシコへの不法移民は、悲惨、犯罪、貧困、病気、破壊を国中のコミュニティーに蔓延させている。こんなことは誰も見たことがない」とトランプは主張した。

www.rt.com