マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.392

テザー氏は、問題はヨーロッパがアメリカに対して統一戦線を張ることができないこと、特にドイツがイギリスに代わってヨーロッパの抵抗勢力に対するアメリカの切り札となったことだと指摘した。「最近の危機の結果は......ドイツ人が、ヨーロッパから軍隊を撤退させるというアメリカの脅しに非常に脆弱であることを明らかにした。」

テザー氏は別のコラムで、「アメリカの輸出が輸入を大幅に上回るようにドルを安くしようとする政権の最大の目的は、アメリカの資本が無制限に海外に投資できるようにすることである」と書いている。輸出志向のアメリカ企業にとっては魅力的かもしれないが、アメリカの消費者は苦しむことになるだろう。「結局のところ、このようなシナリオが必要とするドルの永久的な過小評価は、自国の生活費を不必要に増加させることになる…。」しかし、アメリカの産業界は、ヨーロッパやアジアの産業界で最も収益性が高く、技術的に重要な部門を買収するための外貨を手にすることができる。チリからイギリス、ロシアに至るまで、民営化された公営企業の買収に至った。潜在的な外国からの抵抗に対する壁としてアメリカの軍事費を動かしてきたのは、主としてこのナショナリスティックな経済的目的であった。

膨れ上がるヨーロッパのドル保有高に対処するアメリカの戦略は、価格が機能しない(あるいは経済専門用語で言うところの価格非弾力的で、価格に関係なく行わなければならない)アメリカの海外取引が多いため、アメリカの支払い赤字、特にその主要な要素である冷戦期の軍事支出は、ドル切り下げにあまり影響されずに継続する可能性が高いという認識に基づいていた。石油のような価格に影響を受けにくい原材料が大きな役割を果たしていることを考えれば、アメリカの貿易収支が長期にわたって好転する可能性はなかった。ドルが値下がりしたため、先進国からの輸入品の多くはドル価格が上昇したが、それに比例してアメリカの需要が減少することはなかった。輸出もあまり助けられなかった。より多くのアメリカ製品が輸出されたが、ドルの切り下げはその販売代金の外国為替評価額を引き下げた。