米ハイテク大手「ベトナムに半導体工場計画の中止を迫る」


James Tweedie
Sputnik International
14:03 GMT 31.10.2023

米国と中国の間で続く貿易戦争は、半導体製造に使用される希ガスを含むロシアの輸出品に対する制裁とともに、成長し続けるハイテク産業の供給不足につながっている。

ベトナムは、東南アジア初の半導体工場設立に向けて半導体企業と交渉中だ。しかし、米国のハイテク業界のリーダーたちは、公的資金の無駄遣いだと主張して、この計画を中止させようとしている。

米マイクロ大手インテルはすでにベトナムに最大のテスト工場とパッケージング工場を持っているが、社会主義共和国はハイテク製造工場を建設するよう企業を説得しようとしている。

US-ASEANビジネス協議会のベトナム事務所長であるVu Tu Thanh氏は、ここ数週間で半ダースのアメリカ半導体メーカーとのミーティングが行われたとメディアに語った。

ベトナム政府は月曜日、半導体企業がベトナムに進出する際に「ベトナムで利用可能な最高のインセンティブ」を提供すると述べた。

しかし、日曜日に首都ハノイで開催されたベトナム半導体サミットで、米国の半導体設計・ツールメーカーであるシノプシス社のロバート・リー副社長は、メーカーを誘致するために補助金を提供することに対して政府に警告を発した。

同氏は、新しい「ファブ」や半導体工場を建設するコストは500億ドルに上る可能性があると述べた。また、ベトナムは近隣の中国や韓国、米国や欧州連合(EU)と投資で競争しなければならないが、これらの国はそれぞれ半導体増産に500億ドルから1500億ドルの支出を表明している、と付け加えた。

米国半導体産業協会のJohn Neuffer会長は、同業界大会において、ベトナムはすでに進出している組立、パッケージング、テスト分野に注力すべきだと語った。

ハノイの拡張計画は、9月にベトナムを訪問したジョー・バイデン米大統領が、ワシントンの対中・対ロシア制裁戦争によって脆弱になっている半導体のサプライチェーンにおいて、ベトナムを「重要なプレーヤー」と呼んだことを受けたものだ。

ケイマン諸島を拠点とするチップ企業GlobalFoundries社は、バイデン氏の訪問と同時にベトナムで開催された非公開のビジネス・サミットに出席した業界関係者の一人であったが、同国への投資にそれ以上の関心を示していないと伝えられている。グローバルファウンドリーズの広報担当者は、「市場の噂についてはコメントしません」と述べた。

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