ついにやってきた「金利に関するいくつかの良いニュース」

石炭一塊よりずっと良いのは、最新のFRB会合と金融市場からのニュースである。

Urban C. Lehner
RT
December 16, 2023

銀行貯蓄を増やそうとしているなら、今は幸せな時代だ。何年もの間、貯蓄を譲渡性預金に預けていても、ほとんど何も得られなかった。現在では、5.5%の譲渡性預金を難なく手に入れることができる。

家を買おうとしているなら、今は決して幸せな時代ではない。住宅ローン金利は7%前後で、毎月の支払額は多くの購入希望者にとって手の届かない額になるだろう。低金利の住宅ローンを抱えた売り手候補は、住宅を売りに出したがらない。ウォール・ストリート・ジャーナルの見出しによれば、「住宅購入の算段はもはや通用しない。」

農家やその他の企業で、通常営業資金や時折投資資金を借りている人なら、今日の金利は身の毛もよだつ思いだろう。多くの農家は、借り入れを少なくする方法を見つけるために奔走している。

経済全般をみても、企業の固定投資は減少している。今日のような金利水準が長期化すれば、経済成長にとって非常に不利になることは言うまでもない。

そして連邦予算にとっては最悪だ。連邦債務の利払い費は今年、前年比39%増、3年前比91%増の6,590億ドルに達した。責任ある連邦予算のための委員会」によると、この利払い費は今やGDPの2.5%に相当し、2020年の1.6%から上昇している。これは、社会保障、メディケア、国防に次ぐ第3位の連邦支出項目であり、国防を追い越す勢いである。

つまり、金利が下がることは、貯蓄家を除く多くの人々にとって、さまざまな意味で良いことなのだ。良いニュースだ: 金利が下がる可能性は高まっている。

主にインフレに関する好材料のおかげで、連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者はハト派的な姿勢を強めている。12月12日と13日に開催された会合では、11ヵ月連続の利上げの後、4ヵ月連続で基準金利を据え置いただけでなく、再び利上げを行う可能性はますます低くなっているようだ。いつ利下げを開始するかは示されなかった。

FRBは最新の四半期経済予測調査で、来年末の基準金利は4.6%で、2023年末の5.4%から低下し、さらに2025年末には3.9%、2026年末には2.9%まで低下すると予測した。9月には、2024年末は5.1%になると予測していた。

このハト派的な見方は、つい6週間ほど前とは様変わりしている。11月1日に終了した会合では、FRBはインフレ率の低下が持続可能かどうかについて確信がないように見えた。市場も同様だったようだ。10年物国債の利回りは最近5%に達した。

それ以来、インフレ率は軟化を続けている。最もよく使われる指標では3%前後、あまり使われない指標ではFRBが目標とする2%近くまで低下している。FRBが推奨する指標を用いると、政策決定者たちは今年のインフレ率が2.8%で終わると予想した。来年は2.4%で終わると予想した。

これはまだFRBの目標を上回っている。しかし、会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、インフレ率が2%への持続可能な道筋にあると確信すれば、FRBは2%を待たずに利下げを開始すると述べた。

インフレに関する良いニュースに加えて、雇用市場は冷え込んでいる。経済全体では、求職者数よりも雇用者数の方がまだ多いものの、その差は急速に縮まっている。FRBは景気後退を望んでいないが、労働市場の過熱はインフレが再び北上する懸念を残す。

FRBが最新の決定を発表し、経済予測調査を公表した後、10年物利回りは4.02%と、この日20ベーシスポイント近く低下した。



ここ数週間、金利情勢は大きく変化している。(DTN graphic)

農家やその他のビジネスで借金をする人たちは、このニュースを、ニワトリの勘定するタイミングについての通常の注意事項とともに受け止めてほしい。インフレ率が将来的に急回復した場合、FRBがハト派的な姿勢を再考せざるを得なくなる危険性は常にある。

パウエル議長は、政策立案者たちは金利がピークに達したと考えているとしながらも、利上げの可能性を否定したわけではない。パウエル議長は記者会見で「誰も勝利宣言などしていない。それは時期尚早だ」と警告した。

それでも6週間前には、金利に関する良いニュース(利上げなし)と悪いニュース(インフレの不確実性)があった。今回のFRB会合や金融市場からのニュースは、とにかく良いものばかりだ。

アーバン・レーナー:元ウォール・ストリート・ジャーナル紙アジア特派員兼編集者。DTN/The Progressive Farmerの名誉編集長。

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