歴史的な月探査機の着陸に備えるインド

チャンドラヤーン3号が月の南極に着陸しようとしている今、インド内外でミッションの成功を祈る声が上がっている。

RT
2023年8月23日

インドの月探査ミッションは、あと7時間足らずで月の南極付近に着陸する見込みであり、歴史的な快挙を成し遂げようとしている。チャンドラヤーン3号探査機の着陸モジュールは、インド標準時の水曜日午後6時4分に着陸を試みる。

成功すれば、探査機は初めて月の南極に軟着陸することになり、ソ連、アメリカ、中国に次いで、月面に軟着陸する技術を習得した国のリストにインドが入ることになる。

この着陸は、ロシアの探査機ルナ25号がエンジン停止に間に合わず、意図した軌道から外れて月面に墜落した数日後に試みられる。

2019年、インドは同様のミッションを試みたが、チャンドラヤーン2も着陸予定時刻の数分前に墜落した。過去の失敗から学んだインド宇宙研究機関(ISRO)の科学者たちは、降下を成功させるために宇宙船の設計をやり直した。

インド宇宙庁によれば、これまでのところ、第3回ミッションは順調に進んでいるが、旅の最後の行程が重要になるという。ミッションを支える科学者たちはこの段階を「恐怖の20分か17分」と呼んでいるが、その大きな理由は、この最後の瞬間にすべてのプロセスが自律化されるからだ。ヴィクラム着陸船は、適切な時間と高度でエンジンを噴射し、適切な量の燃料を使用し、最終的に着陸する前に月面に丘やクレーターがないかスキャンしなければならない。

もし着陸船モジュールに不利な要素があれば、着陸は8月27日に延期されるだろうと、ニレシュ・M・デサイ宇宙利用センター(Space Applications Centre-ISRO)所長は月曜日にANI通信社に語った。同氏によれば、着陸の可否は予定時刻の2時間前に決定され、「着陸船の健康状態と月の状況に基づいて」行われるという。

着陸の前日、ISROのソマナート会長兼宇宙部長官は、ジテンドラ・シン連邦科学技術大臣にチャンドラヤーン3号の健康状態について報告し、すべてのシステムは完璧に動作しており、水曜日には不測の事態は予想されないと述べた。

ミッションのカウントダウンが始まると、インド人は一致団結してミッションの成功を祈った。英国や米国を含め、インド全土の寺院、モスク、教会で祈りが捧げられた。

#WATCH|アメリカ: ニュージャージー州モンローのOm Sri Sai Balaji Temple and Cultural Centerで、#チャンドラヤーン3ミッションの成功を祈願する祈りが捧げられた。 インド系アメリカ人コミュニティのメンバーは、「インド系コミュニティ全員にとって誇らしい瞬間だ。うまくいけば、すべてが... pic.twitter.com/clSH4HBqv8
- ANI (@ANI) 2023年8月23日

ニュージャージー州モンローのOm Sri Sai Balaji Temple and Cultural Centerでは、インド系アメリカ人ディアスポラのメンバーが、自分たちのコミュニティにとって誇らしい瞬間だと語った。

ウッタル・プラデシュ州、グジャラート州、西ベンガル州を含むインドの各州では、学校やコミュニティセンターがチャンドラヤーン3号着陸の特別上映会を開催するよう命じられており、その模様はライブ中継される予定だ。オディシャの砂絵画家、スダルサン・パットナイクは、チャンドラヤーン3号が月の南極に無事着陸し、そこにインドの国旗が置かれている様子を描いた作品を制作した。

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